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2008年6月13日 (金)

詩の紹介  「病院」 坂上清

(紹介者 江 素瑛)
現代において、病院で死ぬことは、看護士、医者、呼びよせられた家族に囲まれ、插管、心マサージなど苦しい儀式を通らないと、人間の終焉を果たせない。先進医療の不条理さを嘆く作者です。
 そもそも社会の仕組みに組みこまれた生活している人々は、自由な死を選ぶことはありえないのです。
 型にはまった生であるかどうかは、選べても、型にはまった死を避けることは難しい。自由な死は、社会に反逆することなのか。テントで人知れず死ぬホームレスのように。
 死に際に、自分の家族にさよならも言えない死、どうしたら昔ながらの「自然死」を取り戻せるのだろうか。
               ☆
           「病院」  坂上清

いつからのことなのか この国では/ もう自分自身の死を死ねなくなってしまった/ 人は皆同じ死を強いられる

ビルのなかの快適な温度/ 鉄製パイプの寝台/ ガラス瓶と点滴の針/ 白いシーツ/ 白い壁/ 白い衣服にかこまれて/ 皆んな同じやり方であの世で旅立たされる 

もう助からないとわかっていながら/ メスを入れられるのだ/ 切りとるものの何もないのに/ 最後のとどめを刺されるのだ

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