« 同人誌「木曜日」第34号(豊島区)作品紹介(1) | トップページ | 文芸同人誌評「週刊読書人」08年5月9日白川正芳氏 »

2008年5月 4日 (日)

農民文学賞受賞「彼岸獅子舞の村」が描く過疎の現実

Pj_024
第51回農民文学賞決まる(上)=小説「彼岸獅子舞の村」の描かれた過疎の現実

 作家・伊藤桂一氏は「獅子舞行事を続けることは、村を守ること、農業を守ることに通じる。事故続出で断念せざるを得ないか、というぎりぎり場で、役員総代の息子が参加を申し出る。こうしたいきさつが綿密に、感動的に描かれている」と完成度の高さを認める。
 文芸評論家の秋山駿氏は体調の都合で、贈呈式には出席しなかったが、「若者が農家から離れて行く今日、果たしてその祭りを、今年も実行できるのか、という事態の展開がドラマになっている。(中略)しっかり明確に描き、密度がある。だから村の現状といったものが、手で触れるように感ぜられる。村は全50戸、空き家が3戸、いま47戸の村の3分の1が75歳以上の年寄りで、その半分が一人暮らしの老人、専業農家はたった3戸……」と、示された現実に驚く選評を寄稿。
 そして、「自分の知らない経験したことのない、農家の営みのことが、新聞だとただ活字であったり記事であったりしたものが、小説になると、いきいきと動き出し、生きた声を発する」と、細部にわたる表現力を評価する。

|

« 同人誌「木曜日」第34号(豊島区)作品紹介(1) | トップページ | 文芸同人誌評「週刊読書人」08年5月9日白川正芳氏 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 同人誌「木曜日」第34号(豊島区)作品紹介(1) | トップページ | 文芸同人誌評「週刊読書人」08年5月9日白川正芳氏 »