佐藤友哉と編集長のトークセッション
(『ファウスト』メルマガより)=5=
編集長:ハハハ。いや、もう現時点で『ファウスト』は歴史に残らざるを得ないんですよ。たとえば日本の車で、アメリカのハイウェイで一番初めに走った車ってちゃんと車の歴史の一ページに残るでしょ?
佐 藤:たとえそれがギネス的なものだとしても、とりあえず記録には残りますからね。
編集長:とすれば、少なくともギネス的にはもう『ファウスト』は残っちゃうんです。それに、もしかしたらこの夏アメリカで一大『ファウスト』旋風が!ってことだってあるかもしれない。ハハハ。
佐 藤:もしそうなったら騒然でしょうね。日本の文芸雑誌がいまだ到達せぬ道ですから。
編集長:そういえばこのあいだ、X JAPANの復活会見でインタビュアーが「新曲の『I.V.』は 世界二十一カ国での同時配信ですね」って言ったところにYOSHIKIが即座に「二十三カ国です」(YOSHIKI物真似風)って小声で訂正したんですよ。あのYOSHIKIはちょっと……可愛かった(笑)。
佐 藤:前回からやたらとX JAPANをプッシュしますね。スーパーカーは再結成する気配を見せないというのに……(遠い目)。っていうか、今なんで物真似したんですか?
編集長:なんかちょっとあのYOSHIKIとシンクロしたんだよね、世界を夢見るスピリットが(笑)。うん、もしかすれば……もしかすると……近い将来、講談社BOXというレーベルが韓国中国台湾アメリカで同時発売ってことだってあるかもしれない。そしてアメリカで出版されるということは……世界言語の英語になるということは……ヨーロッパ全土やユーラシア各国、中南米にだってムーブメントは広がっていく可能性を持つことになる。そうすれば、文字通りの世界制覇です。まさに「天下布武」!
佐 藤:小説でそんなのは誰もやってませんから、本当に実行できたら、それこそ歴史に残るかもしれない。
編集長:仮にそうなっても同時代の権威主義者からはきっと認められないだろうけど、それはそれでいいです。認められないのが勲章! それに、残る残らないでいえば、“たった今”を生きる人の心にこそ『ファウスト』は残りたい。 評価される、評価されないは当たり前だけど二の次、三の次でいいんです。 そして、そんな作家さんだけが『ファウスト』に集まっていると僕は信じている……。 では、以下次号!(と、語るだけ語って走り去る編集長)
佐 藤:って「以下次号」かよ! というわけで……「太田の野望」あるいは「太田の逆襲」を語るだけ語って、今回のメルマガは終わりのようです。日本版『ファウスト』Vol.7の最新情報はほとんどありませんでした。「絶望した!」本当に出るのかな。二年出さなかったという前科があるから、やっぱり不安になってきてしまった……。次回のメルマガでは、何かしらの新情報があるといいですね。
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