東京詩話会が解散、閉会。辻井喬氏が講演
4月19日、東京詩話会が解散・閉会することになり、最後の講演として小説家・詩人の辻井喬氏による「詩とは何か、詩の現代性を問う」という講演を行なった。辻井氏は、歌人であった母親の鞄から自分の若い頃の歌集が出てきたことを語り、短歌から詩に転換した顛末を語った。端緒は小野十三郎の叙情表現批判であったが、もともと母親の短歌に対する反感、批判があったという。
面白かったのは、小説は帝王が部下を使って街に下放し、何を話しているかを情報収集したところからはじまっており、現代風に言えば、反体制的な噂を聞きだすものなので、そのような事象が含まれていたであろうと述べたことで、初めて聞いた由来であった。一方で詩は、社会共同体の王が、自分を賛美させるために歌わせたことが起源なので、体制側的な意味合いを持っていたという主旨のことを話した。
たんなる詩の技法ではなく、常に社会との関連でとらえているので、面白かった。時間がなくて詩人のビジョンに話が及ばなかった。
≪参照:詩人の辻井喬氏、詩人のための「詩論」を語る=東京≫
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