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2008年4月15日 (火)

詩の紹介 「冬温(ぬる)く」 作者 和田英子

(紹介者 江素瑛)
  トーテムポール、カラスが喧しく啼く人工島。冬の上野公園内の小池に似た風景に、リフレイン効果をもって響いているのは旅立ったひとの「女はみんな花だから」の歌である。
  カラスときらきらきらめく女、とても不思議な組み合わせである。
  よわよわしく可憐な花だが、いくつもの顔を持っては、ひたすら子孫の繁殖をはかる存在。
  女はみんな花だから、強くかがやき生きたい、人類種族を絶滅させないための使命をどこまでも遂げなくてはならないのか。
            ☆ 
      「冬温く」      和田英子

自動車道の/街路樹から/落下する/カラスの啼き声/騒がしく息せき切って/呼吸を計るままに/心を露出して/なにを伝えるか/急ぐ声/枝葉は透けて届く範囲の/茂み/樹幹は/触れると生暖かく/ひそかに樹液/流れ

見えないカラスの/慌しい声が人工島に/響くとき/消えるカラスの/孤独な生の列/順序の/幻影重なり

冬温い日/交差点信号横の/ペンキ塗り/トーテンポール裏側に/たちどまるとき/島の向こうから古い谺が甦る/ー女はみんな花だから/いくつもの顔を持っている/たたまれ かさなる花びらの襞の/あいだからこぼれる仮面のわらいを/魔性といいたい人は言えー

開かれた窓から/風に乗り波にゆれて/遠い戦後の/うたがきこえる/女はみんな花だから/美しいものにあこがれ きらきらきらめいて/生きたい/と 詩人は
うたった

花束を手に綿雲の空に/旅立ったひと/木の透けた茂みに/見えないカラス/カラスの声に惹かれて/空しくベンチに佇む/影の欠落

             2008年3月 「騒」第73号 騒の会・町田市

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