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2008年4月30日 (水)

草思社ランキング62位、文芸社?

文芸社は、草思社を6月に100%子会社にすることになった。資本金3,600万円を出費という。文芸社はそれより先に、負債20億円の新風舎を買い取り引き受けている。一部報道(毎日新聞4月24日夕刊)で、業務拡大と編集方針の肌合いの違いを指摘している。ただ、下記のランキングで文芸社はなく草思社がある。文芸社の変則的な営業手法が垣間見える。
【アマゾンジャパン07年出版社別年間売上げランキング】
(和書及び雑誌販売金額に基づく集計、集計期間:2007年1月1日~12月31日)
1 講談社 /2 小学館/3 集英社/4 角川グループパブリッシング(メディアワークス、富士見書房は除く)/5 新潮社/ 6 ダイヤモンド社/7 岩波書店/8 日経BP社/9 学習研究社 /10 ソフトバンククリエイティブ /11 エンターブレイン /12 角川メディアワークス /13 PHP研究所 /14 文藝春秋 /15 日本経済新聞出版社 /16 幻冬舎/ 17 東洋経済新報社 /18 ワニブックス /19 日本放送出版協会/20 徳間書店 /
21 翔泳社 /22 中央公論社/23 筑摩書房 /24 スクウェア・エニックス /25 医学書院 /26 双葉社 /27 インプレスコミュニケーションズ/28 光文社 /29 技術評論社 /30 河出書房新社 /31 白泉社 /32 コアマガジン/33 宝島社 /34 メディアファクトリー/ 35 朝日新聞社出版局 /36 主婦の友社 /37 毎日コミュニケーションズ /38 早川書房 /39 オーム社 /40 竹書房 /41 日本実業出版社/ 42 アスキー /43 有斐閣 /44 リットーミュージック/45 マガジンハウス /46 中央経済社 /47 フォレスト出版/48 中経出版 /49 秋田書店/50 平凡社/51 福音館書店 /52 一迅社 /53 主婦と生活社 /54 祥伝社 /55 秀和システム /56 パンローリング /57 文化出版局 /58 ドレミ楽譜出版社 /59 扶桑社 /60 アルク/61 サンマーク出版 /
62 草思社 /63 羊土社 /64 シンコーミュージック・エンタテインメント /65 オライリー・ジャパン /66 ホビージャパン /67 CQ出版 /68 丸善 /69 偕成社 /
70 東京大学出版会/ 71 三笠書房 /72 日刊工業新聞社/ 73 ヤマハミュージックメディア /74 実業之日本社 /75 旺文社 /76 医歯薬出版 /77 茜新社 /78 白水社 /79 成美堂出版/80 秀文社 /81 ポプラ社/82 ディスカヴァー・トゥエンティワン/
83 世界文化社 /84 新書館 /85 静山社 /86 メディカルサイエンスインターナショナル /87 ソニー・マガジンズ /88 大和書房 /89 マッグガーデン /90 富士見書房 /91 ランダムハウス講談社/92 アスコム /93 創元社 /94 ベストセラーズ /
95 大修館書店 /96 日本評論社 /97 研究社 /98 三省堂教材システム /99 リブレ出版 /100 世界思想社教学社。

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2008年4月29日 (火)

日本農民文学会の情報サイト

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日本農民文学会の第51回農民文学賞の贈呈式に参加してきた。農民文学賞は、賞と賞金が会費によって払われる。文学賞をビジネス化する中で、そこから遠く離れた文学賞である。東京の贈呈式に出ると、経費が賞金をうわまわる。それでも、受賞者は不滅の名誉に思う。
日本農民文学会の情報サイトは、会員「杉山武子の夢街道」のサイトで行なう。
 今回は、詩の大塚史郎のお祝いに「詩人会議」の佐藤文夫編集長がかけつけた。
 特別賞の詩人・童話作家の大倉尚美さんには「日本児童文学者協会」の藤田のぼる事務局長が神楽坂からやってきていた。
 選者の伊藤桂一氏、南雲道夫氏が選評を述べる。

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第51回農民文学賞は前田さん、大塚さん、大倉さん

第51回農民文学賞は、前田新さん(71)の小説「彼岸獅子舞の村」、大塚史郎(73)さん詩集「引出しの奥」に、特別賞に大倉尚美さん(63)詩集「大地がほほえむとき」に決まった。
(新聞「農民」2008.3.24より)書く動機は―――政府の農政の中で村は荒廃、これにどう立ち向かうべきか―この思いから
 福島県農民連副会長で会津農民連会長の前田新さん(71)が、小説「彼岸獅子舞の村」で、日本農民文学会の第51回農民文学賞を受賞。この小説は、後継者不足に悩み荒廃する農村のなかで、民俗芸能の彼岸獅子舞を若者にどう伝えていくか、保存会会長を主人公にその苦悩や喜びを表現した作品。
前田さんのコメント=「敗戦を小学二年の時に体験した私は、戦後の農業と農村の変ぼうのなかを、一人の農民として生きてきました。農業高校を卒業後、青年団活動から農村演劇に没頭し、農民組合から農民連へと発展する農民運動にかかわり、村の仲間と苦楽をともにしてきました。
 昭和55年当時としてはまだ珍しかった農事組合法人を立ち上げ、水田農業の効率的な施設と農機の利用をはかってもきました。しかし、農民の必死の努力にもかかわらず、この国の農業政策によって村は衰退し、今まさに解体の危機に直面しています。
 その現実に農民自身がどう立ち向かうべきなのか。状況のなにをとらえ、守勢から攻勢に転ずべきなのか。その力はどこにあるのか。そうした思いが、運動の現役から離れてあらためて脳裏を去来しました。小説「彼岸獅子舞の村」を書いた動機は、そのことにあります。私の村には、民俗芸能の“彼岸獅子舞”が継承されています。無形でしかも芸能であるがゆえに、その保存と継承は村という組織とそこに結ばれる人間の絆(きずな)と不離一体の関係にあります。その危機はそのまま村の危機を意味します。私も、すでに古希にいたりました。十年前に脳梗塞を患い、左半身に重度の後遺症が残ります。が、幸いにも新聞「農民」のコラム(旬の味)を一昨年まで書く機会をいただきました。そのことが終わって、小説のかたちを借りての「村からの発信」を思い立ちました。はからずも、それが今回の受賞となり驚いています。各位に深く感謝するとともに、もしそれが何かに役立つなら、冥利に尽きます。」
(ブログ「文芸同志会通信」の07年11月27日作品紹介より)
【「彼岸獅子舞の村」前田新】
主人公・津村惣一の村は50戸のうち農家は40戸を数えるが、専業農家は3戸だけになっている。その専業農家以外はすべてが2種兼業の農家となり、農地を手放して農家で亡くなった者が5戸、老齢と転業で農地を委託した者が13戸、死につぶれの空家が1戸、村を出て空き家になった者が2戸、さらに一人暮らしから施設にはいって空家になっているのが1戸、建屋の数はまだ47戸あるが、80歳を超えた一人暮らし、老夫婦だけの家族、それに施設入り空家などの合計が11戸である。
 村の男たちも、40歳を過ぎてもまだ独身の者が5人、離婚をして現在独りでいる者が4人である。
 このような現実のなかで、村に伝わる伝統芸能「彼岸獅子舞」の行事を行おうとするのだが、その相談の村の総会にも人が集まらず、決定すべきことがあっても決まらない。淡淡とした筆致で、過疎化、貧困化し、補助金制度で借金漬けになり、自殺者まででる経緯を物語る。

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2008年4月27日 (日)

文芸時評4月・沼野充義氏

《対象作品》山崎ナオコーラ短編集「論理と感性は相反しない」(講談社)/円城塔「烏有此譚」(群像)/井村恭一「フル母」(文学界)/日和聡子「ヤンヌ・レーセン」(すばる)。(毎日新聞4月23日)

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2008年4月26日 (土)

小泉今日子 映画主題歌で新曲

 女優の小泉今日子(42)が3年ぶりに主演する映画「グーグーだって猫である」(監督犬童一心、9月公開)の完成披露試写会が25日、都内で行われた。テーマソング「good good」を「YMO」の細野晴臣(60)とデュエットすることが発表された。

 小泉演じる独り身の漫画家と子猫のグーグーの交流を描いた映画。犬童監督が台本に書いた詞に細野が音楽を付けたもので、小泉は「誰が歌うんだろうと気になっていたら、私が歌う羽目になりました」。小泉にとっては03年にリリースしたアルバム「厚木I・C・」以来、5年ぶりの歌手活動。公開に合わせて発売される映画のサントラ盤に収録される予定だ。

 先月、20歳差の恋愛で注目されたKAT―TUNの亀梨和也(22)と破局後初の公の場となったが、劇中の役柄と自身を重ね合わせ「1人で生きていく気楽さや寂しさを分かっているので、(役に)すんなり入っていきました」と吹っ切れた表情だった。(スポニチ08年04月26日)

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2008年4月25日 (金)

ライブドア控訴審、7月判決 。「市場の不信招いた」=堀江被告

 ライブドア事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)罪に問われ、1審で懲役2年6月の実刑判決を受けた元社長堀江貴文被告(35)の控訴審公判が25日、東京高裁(長岡哲次裁判長)で開かれ、弁護側が「株式市場の不信を招いた。悔やんでも悔やみきれない」などとする同被告の上申書を読み上げた。公判は、検察・弁護側双方が弁論を行い、この日で結審。判決は7月25日に言い渡される。 上申書で堀江被告は「拘置所の中で、今まで生き急いできたと感じた」と回顧。「わたしの言葉を信じて株を買ってくれた人には、自分の力不足で申し訳なく思っている」と謝罪した。

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本の万引き、年間40億円…とがめぬ親も

紀伊国屋書店や三省堂書店、有隣堂など大手書店14社の万引きによる年間被害額が約40億円と試算されることが、出版社や書店などでつくる日本出版インフラセンター(東京・新宿区)の調べで分かった。最近は小学生による犯行や、万引きをとがめない親も目立つ。万引き被害は書店の経営に打撃を与えており、出版関係者の間では「このままでは日本の出版文化が衰退するおそれもある」との危機感が強まっている。 同センターの調査は、今年1月から2月にかけて、大手書店14社計1161店舗を対象に行われ、14社643店舗から回答があった。本の販売に伴って発生した店側の損失額は計約55億円で、このうち、伝票の打ち間違いなど店側のミスや売れ残った本の処分による損失は約15億円。同センターは損失額の合計からミスなどによる損失を除いた約40億円が万引きによる被害と推計している。この額は年間総売り上げ2909億円の1・4%にあたる。また、全国の書店約1万5000店舗で、同じ割合で万引きがあったと仮定すると、被害額は約190億円に上ると推計される。盗もうとした本を金額ベース別でみると、コミック本が4割と最も多く、写真集は3割、単行本は1割だった。都内の書店によると、コートの裏側にたくさんのポケットを作ったり、ベビーカーやキャリーケースなどを使ったりして大量に盗もうとするケースが相次いでいるという。2人組の1人が店員に本の注文方法を聞いている間にもう1人が盗む例もあった。都心の書店約60店舗と契約している警備会社の調べでは、今年3月の1か月間に取り押さえた60人のうち、小学生が3人含まれ、中高生も17人に上った。子供をかばって、「捕まえられてかわいそう。なんで取りやすい場所に置くんだ」と店側に抗議する親もいる。また、店側に呼び出された親が「払えばいいんだろう」と開き直ったり、子供に向かって「つかまってアンラッキーだったね」などと慰めたりする光景も見られるという。(08年4月24日読売新聞)

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2008年4月23日 (水)

文芸時評・4月(山内則史記者)

(読売新聞4月22日)《対象作品》対談:高橋源一郎(57)&斉藤美奈子(51)(「文藝」夏号/津島佑子(61)「あまりにも野蛮な」(群像06年9月号~)/町田康(46)「宿屋めぐり」(群像06年1月号~)/原田宗夫(49)戯曲「小林秀雄先生来る」(新潮)/蜂飼耳(33)「ヤドリギの音」(文学界)/青山七恵(25)「松かさ拾い」(文藝夏号)。

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詩の紹介  「曇天」 井手ひとみ

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(紹介者 江 素瑛)
 「晴時々曇り」と、さまざまな天気予報の映像がよぎる。まさしく人の日常は、変化多端な気候の如く。曇った後は晴れてくると望むが、しかし、曇った後に暴風雨にならないとは限らない。収束がつかなくなるかも知れない。風の中を幾度も姿勢を直して飛行を試す。見えない太陽を向かって飛ぶ白い鳥、人生は繰り返し挑戦するしかない。
「午後のシネマクラブ」を執筆している作者の、ドラマ色の濃い作品です。
              ☆
         「 曇天 」   井手ひとみ

二月の曇天に/二羽の白い鳥が/かさなりあうように飛んでいく/雲のむこうには/太陽がぼんやりと輪郭を映していて/鳥たちは低く高く飛び/やがて見えなくなった

背後でクラクションが鳴り/せかされるように車は前に出る/私は助手席で/窓の向こうの川を見る

私たちのいさかいは激しくなり/終わるきっかけをなくしていた/私たちは/羽の代わりに口を激しく動かし/二人の間の距離はどんどん離れていくのだった/川面に濃い霧が出ている/道を覆い尽くして行く手を阻むかのように/白い緞帳が切って降ろされ/私たちは終わらない芝居の下手な役者だった

拍手は、起こらない

雲の合間にもういちど二羽の鳥たちが見える/いまいっしんに飛ぶ/見えない太陽にむかって

08年4月No.139 詩誌「さちや」(岐阜市)

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2008年4月22日 (火)

オリコン訴訟で、オリコン側の主張を認める判決

インフォバーンの月刊誌「サイゾー」2006年4月号に、ジャーナリスト・烏賀陽弘道氏が同誌編集部からの電話取材に答え、オリコンチャートの信憑性を疑問視する烏賀陽氏の発言が掲載され、オリコンがこの発言を事実無根の名誉毀損として、5000万円の損害賠償を求め、烏賀陽氏個人を訴えていた問題で、東京地裁は22日、名誉毀損を認め、損害賠償100万円の支払いを命じる判決を下した。

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2008年4月21日 (月)

東京詩話会が解散、閉会。辻井喬氏が講演

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4月19日、東京詩話会が解散・閉会することになり、最後の講演として小説家・詩人の辻井喬氏による「詩とは何か、詩の現代性を問う」という講演を行なった。辻井氏は、歌人であった母親の鞄から自分の若い頃の歌集が出てきたことを語り、短歌から詩に転換した顛末を語った。端緒は小野十三郎の叙情表現批判であったが、もともと母親の短歌に対する反感、批判があったという。
 面白かったのは、小説は帝王が部下を使って街に下放し、何を話しているかを情報収集したところからはじまっており、現代風に言えば、反体制的な噂を聞きだすものなので、そのような事象が含まれていたであろうと述べたことで、初めて聞いた由来であった。一方で詩は、社会共同体の王が、自分を賛美させるために歌わせたことが起源なので、体制側的な意味合いを持っていたという主旨のことを話した。
 たんなる詩の技法ではなく、常に社会との関連でとらえているので、面白かった。時間がなくて詩人のビジョンに話が及ばなかった。
≪参照:詩人の辻井喬氏、詩人のための「詩論」を語る=東京

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2008年4月20日 (日)

文芸時評4月・沼野充義氏

《対象作品》山崎ナオコーラ短編集「論理と感性は相反しない」(講談社)/円城塔「烏有此譚」(群像)/井村恭一「フル母」(文学界)/日和聡子「ヤンヌ・レーセン」(すばる)。(毎日新聞4月23日)

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2008年4月19日 (土)

詩の紹介  「ひきこもり」 神信子

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(紹介者 江素瑛)
  湯船の湯に浮かぶ一対ピンクな乳房、若い時期なら、いかにもエロチッチックな光景のはずである。時の流れにつれて、乳房の重さと厚みが減って、薄く軽く湯に揺られている萎んだ乳房、眺めてくる人も触れてくる人もいない、引きこもり気味の老年生活に思わず感傷的な気分が零れてしまう。軽快な筆調で、女性のやりせない寂しい老年の悲しさをユウモアをもって描いている。
                  ☆
         ひきこもり    神信子
     右の足を踏み出せば右へぐらり
     左の足を踏み出せば左へぐらりぐらり
     人間という名を
     忘れる

     あたたかい空気が
     快い眠りへと誘う
     ここは多分
     家という名の箱

     ふわりふわり
     湯に浮かんでいる
     ぺらぺらの
     二つの乳房

     こんなところに身を窶して
     湯に浮かんでいる
     やるせない
     魂という名の乳房

     ( 「掌」94号より )=08年 4月新・原詩人 No 17より

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2008年4月18日 (金)

菊池寛「日本文学案内」日本の現代文学概観(11)

B 浪漫主義
 ドイツではシュレーゲル兄弟、ティーク、シュライエルマツヘル、ノヴァリス、等は初めベルリンに集り、後にエーナに集って浪漫主義運動を起し、機関紙「アテネーム」を発行した。彼等はゲーテ、シルレルの青年時代の激情を讃美し、原始文学を唱えたヘルデルを尊敬した。哲学も唯理念のみを旨とするものを排し、人間のうちに重心を置く哲学を採った。殊にフィヒテの「自我の外には何ものも存在しない」と言う教説に無限の魅惑を感じたのである。またシュレーゲル(兄)はシェイクスピアの翻訳に従事して、ドイツで最も広く読まれた決定訳を作った。

 ノヴァリスといえばドイツ浪漫主義を想起する詩人だが、ティークは彼を評して「高き不滅の精神のいとも純にして、いとも美しきあらわれ」と言った。生来虚弱で、名門の生れであったが、病魔と終生戦わねばならなかった。そして愛人ユーリエと結婚する日が遂に来たらず、病没したが、「夜の讃歌」「聖歌」などの浪漫的な佳い作品を残してドイツ浪漫派の基礎を固めたのである。
 ハイデルベルヒに集った浪漫派の一団があった。彼等は一層抒情趣味を鼓吹し、無限への憧憬、神秘への思慕を境地要した。アイヘンドルフの詩篇や小説「のらくら者の日記」は有名である。またホフマンの怪奇趣味に満ちた小説はポーやボードレルに多大の影響を残している。ドウッセルドルフに生れパリで死んだ詩人ハイネは早くから我国に紹介され、その浪漫的な叙情味と一脈の憂鬱な調子は多くの青年を魅了したものだ。

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松本清張賞に蘇芳よう子さんの「槿花、一朝の夢」

 第15回松本清張賞(日本文学振興会主催)は16日、蘇芳(すおう)よう子さん(46)の「槿花(きんか)、一朝(いっちょう)の夢」に決まった。蘇芳さんは横浜市在住。副賞500万円。

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2008年4月17日 (木)

草思社の支援企業、自費出版大手の文芸社に

 民事再生手続きを進めている出版社の草思社(東京・文京区、木谷東男社長)は17日、自費出版大手の文芸社(東京・新宿区、瓜谷綱延社長)が支援企業に決まったと発表した。草思社の100%減資分を文芸社が引き受け、草思社は文芸社の100%子会社になる。両社は16日、<1>草思社の独自性を尊重<2>既刊書を従来通り販売<3>社名をそのままにする――といった内容で基本的に合意。役員人事については未定だが、代表は文芸社から、社長は草思社から出す方針だという。22日に再生計画案を提出し、認可は7月になる見通し。木谷社長は、「文芸社から最良と思われる提案を受けた」と話している。(08年4月17日読売新聞)


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2008年4月16日 (水)

「寿命まで天引きされる高齢者」…川柳の愛好者大会

「寿命まで天引きされる高齢者」…時事川柳の愛好者大会開く
 読売新聞.・気流欄「よみうり時事川柳」の投句者で作る「時事川柳研究会」主催の第25回愛好者大会が13日、東京都内で開かれた。

 参加者の互選の結果、最優秀作品に、茨城県阿見町の無職、佐藤幸雄さん(71)の「寿命まで天引きされる高齢者」が選ばれた。2位には群馬県中之条町の公務員、高橋栄さん(57)、3位には埼玉県宮代町の無職、浅場英一さん(75)の作品が選ばれ、それぞれに読売新聞東京本社からカップが贈られた。(08年4月14日 読売新聞)

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2008年4月15日 (火)

後期医療制度と自民党

後期医療制度の評判が悪いなあ。対象となった老人は、みんな暇だから選挙に行けるよ。自民党は強行採決してまで、自分のたちの首を締めたかったわけか。とにかく、何をしても官僚の言うまま、というのは自民党議員なんて、いても居なくても同じということを証拠だてたことになる。政治的信条をもたず、しかも世襲だから国民の苦しみが理解できない。本当は世襲を選んじゃいけないのだが、日本人はそういうの好きだから、後期医療制度に苦しむ人も、いままで自民党を支持してきた人は、だまって我慢するのだろうね。

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詩の紹介 「冬温(ぬる)く」 作者 和田英子

(紹介者 江素瑛)
  トーテムポール、カラスが喧しく啼く人工島。冬の上野公園内の小池に似た風景に、リフレイン効果をもって響いているのは旅立ったひとの「女はみんな花だから」の歌である。
  カラスときらきらきらめく女、とても不思議な組み合わせである。
  よわよわしく可憐な花だが、いくつもの顔を持っては、ひたすら子孫の繁殖をはかる存在。
  女はみんな花だから、強くかがやき生きたい、人類種族を絶滅させないための使命をどこまでも遂げなくてはならないのか。
            ☆ 
      「冬温く」      和田英子

自動車道の/街路樹から/落下する/カラスの啼き声/騒がしく息せき切って/呼吸を計るままに/心を露出して/なにを伝えるか/急ぐ声/枝葉は透けて届く範囲の/茂み/樹幹は/触れると生暖かく/ひそかに樹液/流れ

見えないカラスの/慌しい声が人工島に/響くとき/消えるカラスの/孤独な生の列/順序の/幻影重なり

冬温い日/交差点信号横の/ペンキ塗り/トーテンポール裏側に/たちどまるとき/島の向こうから古い谺が甦る/ー女はみんな花だから/いくつもの顔を持っている/たたまれ かさなる花びらの襞の/あいだからこぼれる仮面のわらいを/魔性といいたい人は言えー

開かれた窓から/風に乗り波にゆれて/遠い戦後の/うたがきこえる/女はみんな花だから/美しいものにあこがれ きらきらきらめいて/生きたい/と 詩人は
うたった

花束を手に綿雲の空に/旅立ったひと/木の透けた茂みに/見えないカラス/カラスの声に惹かれて/空しくベンチに佇む/影の欠落

             2008年3月 「騒」第73号 騒の会・町田市

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2008年4月13日 (日)

大阪書籍が民事再生を申請

大阪書籍が10日、民事再生を大阪地裁に申請。信用調査会社によると、負債は66億2700万円。少子化などの営業で業績が悪化し、2006年9月期には売上高は34億3300万円に落ち込み、1億7400万円の最終赤字を出していた。昨年6月には新社長就任以後、不動産仲介業へ進出し、今年2月には商業印刷部門を大阪書籍印刷へ会社分割。しかし、急な事業展開に資金調達が追いつかなくなり、今回の措置を取った。

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同人誌「孤愁」第3号(横浜市)

【「漂泊」豊田一郎】
一人同人誌。作者が30年前に書いたという作品。新聞社の海外派遣員をしていた記者が、NYのブルックリンの日本人女性の家に招かれると、アーサーというベトナム戦争の兵士あがりの男と同居していた。そのアーサーがベトナム戦争で覚えた麻薬にはまって、逮捕され刑務所に入っていることを知らされる。そのことを女性の友人に知らせると、もう関係ないという。ベトナム戦争に狩り立てられた貧しい境遇のアーサーの孤独。作中でも国家の「犬」として扱われ、戦場に狩り出されたアーサーを間接的に表現し、現在読んでも巧い作品になっている。
 どこの国の兵士も、国家権力によって「犬」にされてしまう。「犬」と「犬」が血を流し、理由なき憎しみをつのらせる。だれがその権力の支配から脱け出られるのか、と考えさせる。 

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「同人雑誌評」「文學界」08年5月号/担当・大河内昭爾氏

《対象作品》「ハンモックのある庭」難波田節子、「海のくれた贈り物」藤野秀樹(以上「季刊 遠近」33号/東京都)、「ホトトギスの谷間」寺元敏胤(「文学街」245号/東京都)、「睡蓮の祈り」黄英治(「架橋」27号/清須市)、「愛骨」立花健、「花型ちらし」羹凪翔(以上「九州作家」123号/北九州市)、「公園で」「激怒」「ロン」「住所姓名年齢不詳」「フリーマーケット」田口佳子(「翡翠」個人誌25号/東久留米市)、「プレゼント」菅原治子、「キャリントンの頃」北村順子、「男同志」野中麻世「夜の足音―パリ、サンドニ通り二四九」麻井さほ、「知っている」陶山竜子(以上「婦人文芸」84号/東京都)、「白い闇」野沢薫子(「長崎文学」56号/長崎市)、「余命」野坂喜美(「米子文学」53号/米子市)、「蜃気楼」高テレサ(「修羅」56号/桶川市)、「オレの将来」山田敦心(「城」93号/みやけ町)、「象のテラス」ひわきゆりこ(「胡壷」6号/福岡市)、「あと何日」平井利果(「文章工房」7号/?)、「色なき風」宮田智恵子、「残り雪」佃陽子(「桂」5号/さいたま市)、「潮どき」桐山みち代(「河」144号/東京都)、「みんな消えていく」今泉佐知子(「果樹園」10号/豊川市)、「鬼虫」西村重夢、「取り憑き体質」日下渓子、「鱧と女と棟梁と」沖田潮(以上「スクランブル」20号/松山市)、「よにげ」西園春美(「詩と眞實」3月号/熊本市)、「羽虫」那村洵吾(「VIKING」686号/茨木市)、「夫の逝去」木下径子、「逃亡日記」佐々木欽三(以上「街道」12号/武蔵野市)、「窓」笹原実穂子、「愛人にしてください」高井かほる(「札幌文学」71号/札幌市)。
ベスト5 「潮どき」桐山みち代、「象のテラス」ひわきゆりこ、「色なき風」宮田智恵子、「ホトトギスの谷間」寺元敏胤、「鬼虫」西村重夢。(「文芸同人誌案内掲示板」よこいさんまとめ)

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2008年4月12日 (土)

イントロ紹介=「騒」73号を読む

高度な詩やエッセイ、表紙デザインの詩人による同人誌である。73号は、原満三寿「金子光晴詩集『三人』から『若葉のうた』を貫くもの」から、書き出しを読む。
           ☆
金子光晴と、森三千代も、森乾の家族三人が戦中の疎開先である山中湖畔で紡いだ私家版の合同詩集『三人』が発見された。そのことが2007年8月17日の朝日新聞の社会面に載るや大きな反響があった。まず講談社の「群像」(9月号)が特集を組んでその一部を紹介し、ついで詩集「三人」(08年1月)として刊行された。さらにNHKがETV特集「父とチャコとボコ」(08年1月20日)を放映した。
 そのいずれにも幻の詩集の発見者としてわたしが解説などで関った。その全容は、講談社の詩集「三人」とその解説を読んでもらえばわかることなのであるが、表題の件については、わたしの解説では暗示的に指摘しただけで詳述できなかったので、いささか述べてみたい。
 詩集「三人」のなかの詩「三点」の節には、こんな箇所がある。

 三点をつなぐ大きな円は
 地球いっぱいにひろがった

 三点をつなぐ円とは、光晴と三千代と乾によって描かれる大きな絆の輪のこと。「この大きな輪が地球いっぱいにひろがった」ということは、空間的にとらえると、家族から隣人に、そして光晴が愛して止まなかった東南アジアの人々に、そして世界全体にひろがり、つまり子から孫へとつながってゆく家族愛のことなのである。(以下さらにつづく)

雑誌「騒」発行所=194-0032町田市本町田3486-1-204「騒の会」。

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2008年4月10日 (木)

太宰治の旧制高校時代自筆ノート発見

自画像とみられる似顔絵やペンネームの書き込みがある太宰治の旧制高校時代のノート 故郷・青森県を題材にした作品を残した太宰治(1909~48年)が旧制弘前高校時代に使っていた自筆の大学ノート(A4判)2冊が見つかり、青森県近代文学館(青森市)は、全ページの写真を収録した資料集を刊行した。
 「英語」(1年時)と「修身」(2年時)の2冊で、ペンネーム「辻島衆二」も書かれ、自画像とみられる似顔絵などの落書きも多数ある。全ページが公開されるのは初めて。
 太宰は同県五所川原市(旧金木町)出身。1927年春に旧制弘前高校に入学し、東京帝国大学文学部仏文科に進学するまでの3年間在学した。
 発見された2冊は、いずれも裏表紙まで使われている。「修身」のノートには、本名の「津島修治」のほか、太宰が当時主宰した同人誌で使っていた「辻島衆二」も書かれている。「英語」のノートの余白には、これまで存在が知られていなかった詩のような文章も見つかった。同館によると、こうした文章は、学期が進むごとに増え、成績が落ちた時期と一致するという。 資料集に解説を寄せた安藤宏・東京大学准教授(日本文学)は、「高校時代の太宰の姿を知る貴重な資料で、後の太宰文学につながる自意識の強さがうかがえる」としている。
資料集は1冊1200円。問い合わせは、同館(017・739・2575)へ。(08年4月1日, 読売新聞)

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草思社、再生計画の提出を延期

草思社が1月11日の再生手続開始決定時に東京地裁が定めた再生計画案の提出期限である4月8日までに提出ができず。期限の伸長を上申。同地裁から4月22日までとする決定を受けた。同社では「現在、特定の企業と最終的な協議を行っている」「5月初旬には、債権者集会開催のご案内とともに再生計画案を送る」としている。

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2008年4月 9日 (水)

NHKTV「その時、歴史が動いた」音楽の市民革命を見る

 NHKの受信料を昔から、欠かさず払っている。バカボンはNHKファンなのだ。この番組を作っている人は、歴史意識がある。内容が、放送する時期とタイミングが実に絶妙だ。NHKの受信料を払わないという人は、この民放との決定的な差が分からないわけだから、見ても見ていないと同じことなのだ。仕方がないことかも。

 たまたま、今日は民主党の小沢代表が、日銀の副総裁を財務省の天下りを拒否した報道をしていた。それを批判する評論や記者がすくなくない。官僚が自民党にだけと情報をもちあって、内密に利権を得ていて、野党に正確な情報をわたしたことがない経過がある。そのために野党は、頼りないとか、任せるのは不安だとかのニュースを流しているのではないか。野党が官僚を敵視するのは、当然なところがある。世の中は時代によって、情勢は大きく変わる。いつまでも自分の都合の良いシステムが続くと思っていたのであろう。ここで、日銀の天下りが阻止できれば、道路公団、失業保険など官僚の税金窃盗の巣にも天下りを拒否を考える前例となるので、野党は頑張りどころだとバカボンは思う。新聞の書くように、野党が、たとえ頼りない政党(政権を任されたことが、ないので与党のように失政はしたことがないのに)だとしても、政権をかえるだけで、官僚の税金泥棒は、減少されられると思う。

 たまたま、こんな見出しのニュースがあった。
「日本人は第2次世界大戦を反省していない」村上春樹氏インタビュー。
 世界のどこの国民が戦争を反省したの? アメリカがベトナム戦争やイラク戦争で反省しているという前提?。ベトナム戦争でベトナム人を虐殺し、済州島で自国民を虐殺した韓国は、反省しているという前提?。中国はチベット侵略を反省してるということか?。
 変な記事だ。それにしても、その時、都合が良くても、後で都合が悪くなるということが最近良く見られる。

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第2回大江健三郎賞は、岡田利規さん

第2回大江健三郎賞(講談社主催)は、岡田利規さん(34)の小説集「わたしたちに許された特別な時間の終わり」(新潮社)に決まった。岡田さんは劇団チェルフィッチュを主宰する劇作家、演出家。受賞作は外国語に翻訳される。

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2008年4月 8日 (火)

佐藤友哉と編集長のトークセッション

(『ファウスト』メルマガより)=5=
編集長:ハハハ。いや、もう現時点で『ファウスト』は歴史に残らざるを得ないんですよ。たとえば日本の車で、アメリカのハイウェイで一番初めに走った車ってちゃんと車の歴史の一ページに残るでしょ?
佐 藤:たとえそれがギネス的なものだとしても、とりあえず記録には残りますからね。
編集長:とすれば、少なくともギネス的にはもう『ファウスト』は残っちゃうんです。それに、もしかしたらこの夏アメリカで一大『ファウスト』旋風が!ってことだってあるかもしれない。ハハハ。
佐 藤:もしそうなったら騒然でしょうね。日本の文芸雑誌がいまだ到達せぬ道ですから。
編集長:そういえばこのあいだ、X JAPANの復活会見でインタビュアーが「新曲の『I.V.』は 世界二十一カ国での同時配信ですね」って言ったところにYOSHIKIが即座に「二十三カ国です」(YOSHIKI物真似風)って小声で訂正したんですよ。あのYOSHIKIはちょっと……可愛かった(笑)。
佐 藤:前回からやたらとX JAPANをプッシュしますね。スーパーカーは再結成する気配を見せないというのに……(遠い目)。っていうか、今なんで物真似したんですか?
編集長:なんかちょっとあのYOSHIKIとシンクロしたんだよね、世界を夢見るスピリットが(笑)。うん、もしかすれば……もしかすると……近い将来、講談社BOXというレーベルが韓国中国台湾アメリカで同時発売ってことだってあるかもしれない。そしてアメリカで出版されるということは……世界言語の英語になるということは……ヨーロッパ全土やユーラシア各国、中南米にだってムーブメントは広がっていく可能性を持つことになる。そうすれば、文字通りの世界制覇です。まさに「天下布武」!
佐 藤:小説でそんなのは誰もやってませんから、本当に実行できたら、それこそ歴史に残るかもしれない。
編集長:仮にそうなっても同時代の権威主義者からはきっと認められないだろうけど、それはそれでいいです。認められないのが勲章! それに、残る残らないでいえば、“たった今”を生きる人の心にこそ『ファウスト』は残りたい。 評価される、評価されないは当たり前だけど二の次、三の次でいいんです。 そして、そんな作家さんだけが『ファウスト』に集まっていると僕は信じている……。 では、以下次号!(と、語るだけ語って走り去る編集長)
佐 藤:って「以下次号」かよ! というわけで……「太田の野望」あるいは「太田の逆襲」を語るだけ語って、今回のメルマガは終わりのようです。日本版『ファウスト』Vol.7の最新情報はほとんどありませんでした。「絶望した!」本当に出るのかな。二年出さなかったという前科があるから、やっぱり不安になってきてしまった……。次回のメルマガでは、何かしらの新情報があるといいですね。

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会員に向けた本ブログのコメント欄の設定についてのお知らせ

 ブログの操作を習ってきましたが、講習を受けたのみでまだ実行していませんでした。ここえきて、教わったことを思い出しながら、とりあえずコメントの設定を変えました。
 コメントをを入れてもすぐに公表されず、まず運営者が読みます。そこで、公表をしてもいいかな、と思われるものをだけを公表することができます。
 しかし、ここでは、原則として公表はしません。それは「文芸同志会」HPを削除したことで、連絡先が郵便以外になくなってしまったので、連絡機能として、このようにしました。
 また、文芸同志会は月報を発行している時には、経費が発生しますので、会費をとっていました。しかし、現在は、会費を取らずに有志のみの活動にしています。
 なかには会報の休刊に気がつかず、会費を送ってくれる方もいます。当方の連絡漏れだったかもしれません。以前の会員で、会員として登録しておきたい方は、登録を受け付けます。コメント欄にその旨を、記入してください。その場合、発行物や活動の情勢を会員情報として、優先的に本ブログにてニュース化します。たいしたアクセス数ではありませんので、掲載されたら自力それを周知されることをお勧めします。もともと文学は孤独なものであり、孤立無援を前提とした活動であることを再認識する機会にしたらいかがでしょう。
 ニフティの講習によりますと、日に何万というアクセスがあるのがブログというらしいのですが、2000部売れるとわかれば出版社が出版を引き受けてくれる世界で、そんな有象無象の世界とは無縁でなければなりません。そういう意味では、ここは異端のブログですね。

 したがって、トラックバックは受け付けていません。
 

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2008年4月 6日 (日)

平野啓一郎さんとモデルの春香さんが、明治神宮で挙式。

京都大在学中の1999年に『日蝕(にっしょく)』で芥川賞を受賞した作家の平野啓一郎さん(32)とモデルでデザイナーの春香さん(32)が29日、東京の明治神宮で挙式した。30日には都内のホテルで披露宴を開いた。二人は2006年11月にパーティーで知り合い、同い年で同郷だったことから意気投合、交際を始めた。昨年夏、平野さんが自宅でプロポーズしたという。(08年3月31日、読売新聞)

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NHK文化センターでブログのはじめ方を習う

ニフティのブログ「ココログ」をNHK文化センターで有料講習するというので、授業料を払って受講した。これまで、どうしたよいのかわかないで放置していた、いろいろなことを整理することができるようになった。
 その時に、同時にニフティの簡単ホームページが廃止になるというので、それがどういうことなのか訊いて見た。なんでも、特別な技でやれば更新ができるが、これまでのような簡単更新はできないーーということであった。そこで、これまで「文芸同志会」と「伊藤桂一先生を囲む会」「全作家協会」の掲示をすべて削除した。全作家協会は、昨年に脱会しているので、事情がよくわからないが、独自にホームページを立ち上げているようだ。
 文芸同志会の活動はこのブログだけとなる。ここは、必ずしも同人誌専門ではないのだが、電話の問合わせはよくある。そんな時は、「文芸同人誌案内」サイトで調べるように紹介している。最近、類似のサイトが増えたのか、前からあったのか良く分からないが、似たような名前がかなりある。

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2008年4月 5日 (土)

「週間 読書人」08年4月11日「文芸同人誌評」白川正芳氏

《対象作品》「わたしの大学生活」ふじみ ちよ(「ふみの会 ニュース」313号)、「ワラシ・ファミリー」坂本悟朗(「海峡派」111号)、「死なない蟻の群れ」馬場駿(「岩奬」16号)、「言奏者 辻邦生」(「火涼」58号)、「そんなふうな日々」内藤裕子(「銀座盤」創刊号)、「オレの将来」山田敦心(「城」93号)、「山の文学資料館あれこれ」市川渓二。(文芸同人誌案内掲示板・よこいさんまとめより)

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佐藤友哉と編集長のトークセッション

(『ファウスト』メルマガより)=2=
佐 藤:最近の漫画から引用したら、若者に媚びてると思われますよ。でもなんか心配になってきたなあ、あんまり調子に乗らないでくださいね。
編集長:何を仰る! 「調子に乗らず、波には乗って!」が僕の座右の銘ですよ!まあ、そういうわけで『Publishers Weekly』みたいな有名どころの業界誌のインタビューを受けた甲斐もあってか、アメリカの出版界をまずはちょこっとだけざわっとさせたみたいよ。それにしても、アメリカのライターさんの能力は本当にすごいね……質問力がすばらしい。最高におもしろかった!
佐 藤:えー、これ以上太田さんのニューヨーク自慢話が続くのは誰もが望まないでしょうし、とりあえず話を『ファウスト』に戻しましょうか。
    ずばり、アメリカ版『ファウスト』は日本版『ファウスト』と何が違うんですか?
編集長:アメリカ版『ファウスト』のコンセプトは「very best FAUST」!今まで日本で出版したすべての『ファウスト』を素材に、アメリカ向けに再構成しているんです。表紙はなんと竹さん渾身の描き下ろし!
佐 藤:なるほど、『ファウスト』のベストアルバムなわけなのか……。
編集長:そうそう。第二号とカップリングして考えると、『ファウスト』というバンドの二枚組のベストアルバムみたいな感じ。最終的には諸般の事情でいくつかのタイトルが差し替えになったりはしたけれど、基本のラインナップは僕が独断で編んでいます。なんといっても、真夜中にアメリカ版『ファウスト』の目次を考えるのは最高の体験だったですよ。「自分の編集した雑誌のアメリカ版の目次を立てる」なんてのは、日本人の文芸編集者では初めての体験だろうし、その目次自体も僕的にはかなりおもしろいものになっている。そりゃそうだよね、ベストアルバムなんだから。で、最終的にはもう『ファウスト』という枠にすら拘らないで僕自身の ここ五年くらいの仕事の中からの(対アメリカ向け)ベストにしちゃえ!と割り切ってみたりもして、奈須きのこさんの『空の境界』の一章をそのまま収録してみたりみたいな、アクロバティックな編集にも挑んでみた。というわけで、僕はいつかその「アメリカ版『ファウスト』の日本版」も日本で出しちゃおうと考えてるんですよ。
佐 藤:ああ、なるほど。それはおもしろそうだし、日本の読者にも喜ばれる仕事ですね。アメリカ版にはアメリカ人向けの注釈も入ってたりするわけですか?
編集長:そうそう、アメリカ人が読む『ファウスト』を注釈までちゃんと日本語に直して逆輸入する。村上春樹さんが短編集『象の消滅』で取り組まれている仕事の『ファウスト』バージョンです。

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佐藤友哉と編集長のトークセッション

物事は何でもやれば大変なのだけれども、楽しんでやるという姿勢でないと、長続きしない。話題には7分の事実と3分のユーモア笑いを入れよ、というのがあるジャーナリストの教訓にある。その意味で、このふたりの対談形式はいいと思うので、連載で転載してみる。(鶴樹)
(
『ファウスト』メルマガより)=1=
……というわけで『ファウスト』、ついに全米進出です! 日本の文芸雑誌史上初めて海を越えて出版された台湾版、そして韓国版に次いで、真打ちともいえるアメリカ版が満を持して出撃するわけです。世界制覇を志してから二年。感無量ですね。「『ファウスト』、O.K.です!」
佐 藤:矢沢かよ!って、なんか前回のメルマガから僕はツッコミ役になっている気がする……。
編集長:きっともうじき民明書房の本なんかを引用しはじめたりするんですよ……って。冗談はさておいて、アメリカ版『ファウスト』は世界最大の出版グループ、ランダムハウスのレーベルであるDel Ray社からこの夏、刊行されます。なんと、すでに二号までは刊行の予定があるんですよ。
佐 藤:ニューヨークまで出張していた理由はそれだったわけですね?
編集長:そうです。今年の夏に刊行が決定したアメリカ版『ファウスト』のプロモーションのため、NYAF(ニューヨーク・アニメ・フェスティバル)の公式ゲストとして……。ニューヨークは二年ぶりでしたけど、この二年間で状況は劇的に変わっていましたね。NYAFは記念すべき第一回目の開催で、かなり大規模なイベント。二年前は、東海岸であんな大きなイベントが打てるなんて誰も思っていなかったと思う。
佐 藤:アメリカで『ファウスト』が受け入れられる下地はある、と。
編集長:うん、少なくとも可能性は十分にある。そう感じました。「それがたとえ那由他の彼方でも 俺には十分に過ぎる!」NYAFでは四十人前後の一般参加者を前にして公開インタビューを受けたりもしたし??―その合間を縫って七本もインタビューが入ったりもした(笑)。

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2008年4月 4日 (金)

赤井都さん、豆本世界の実力者として読売新聞に

赤井都さん、芥川賞受賞作家なみに、メディアに取り上げられる。稲垣タルホが好きで、自作品も影響がみられる。その内容の豆本で文芸的にも高度なのが強み。

【「豆本の聖地」高円寺~喫茶店で常設販売】
小さな本に豊かな世界が広がる 「豆本」は手のひらにすっぽり収まる、かわいらしい本のこと。ミニチュアと侮るなかれ。ページをめくれば普通の本にひけをとらない物語の世界が広がる。杉並・高円寺は、知る人ぞ知る「豆本の聖地」だ。書店のように豆本を並べて売っている喫茶店やギャラリーがあり、豆本作家たちが新作を持ち寄っている。(大木隆士)

 豆本は縦数センチ。字の大きさは一般の本と変わらないものが多いので、虫眼鏡なしで読める。一話完結の超短編だが、力作に当たると、読み応えは十分だ。

 JR高円寺駅北口、商店街の中にある喫茶店「茶房 高円寺書林」(杉並区高円寺北)。店舗の一角にある豆本コーナーには、表紙が木や布でできたもの、金箔(きんぱく)を施したものなど、多彩な装丁の豆本が並ぶ。ジャンルも翻訳ものからファンタジー、詩集、イラスト集とにぎやか。

 1000~2000円のものが中心だが、100円で手に入る「ガチャガチャ」もある。お客の中心は20~30歳代の女性。「昔読んだことがあると懐かしむ高齢のお客さんもいる」と、店長の原田直子さん(58)は話す。

 1960年代末には、ウイスキーPR用の豆本セットが発売され、評判になったことも。かつては書店でも売られていたが、今では、イベントや企画展が中心。街ではめったにお目にかかれない。高円寺書林は、一昨年開いた豆本の企画展をきっかけに、販売を始めた。ウワサを聞いた各地の豆本作家が、新作を持ち寄るようになった。

 その中の一人、赤井都さん(38)は若手の実力派だ。世界的に権威のあるコンテストの最優秀賞を、2006、07年に、続けて受賞している。赤井さんの豆本は3月、駅に近いギャラリーショップ「ノラや」(高円寺南3)にも販売コーナーができた。「手の中で包むようにして読むと、安らぎを感じる。たくさんの人に魅力を知ってほしい」と赤井さんは願っている。4月27日には、「ノラや」の本店で、赤井さんを講師に、豆本製作の初心者向けワークショップも開かれる(材料費など4500円、定員12人)。(電)5378・0774。(2008年4月4日 読売新聞)

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2008年4月 2日 (水)

同人誌「R&W」4号(愛知県)作品紹介

 本誌は、朝日カルチャーセンター藤田充伯講師「短編小説を読む・書く」の受講者たちの作品だとある。藤田講師は、三重県鈴鹿市に作家・五木寛之氏の「五木文庫」の開設に尽力している縁で、五木寛之特集があり評論なども掲載されている。

【「聖母子と廃本」渡辺勝彦】
 地域の定住困難者の支援ボランティアをしている「私」は、一人のホームレスが焼死したのを知る。事件の様相を呈している。死んだ男を知るホームレスが、彼の生前の話をする。死んだ男は、長崎の原爆後に、やけどを負った母親が、やけどを負った乳飲み子に乳を与えている写真を大事にもっていて、その乳飲み子こそ自分である、と主張していたという。彼は、ブコースキーの愛読者であったというのが、面白い。彼についての話をしていると、そこに原爆が投下されてしまう、というので終わる。「私」が他者に物語を聞き、さらにその人も確たる事実らしくない話をする、という設定で、起きたこととの間に、ワンクッション置いてあることで、非現実的な幻想もあるロマンの味がつけられて、イメージが膨らみ、面白い短篇になっている。

【「知らない花」王子元】
 九門という男には、妻子があって、町内活動にも力を入れている。そこで、近所に不審者が出入りするというので、町内で協議をし、公園で隠れ密かに遊ぶ子供たちを見張る。その役を終えて家に戻ると、妻が愛人の男といる。妻はそれを期に娘を連れ、家を出て行ってしまう。家族の絆とは何か、と九門が問いかけて終わる。意外な展開の小説で、たしかに起承転結があるが、唐突な展開になっているのが、惜しまれる。

【「再会」山口耕太郎】
 青木は俳句結社誌にある俳句の内容と洋子という名の詠み手が、学生時代に同棲した洋子という女性ではないかと思い、連絡をとってみると、彼女はすでに結核で亡くなっていた、という話し。回想の部分が作品の中心になっている。洋子の去っていく理由が、曖昧で淡白。青春時代の雰囲気が、でていてまとまっているが、もう一押しが欲しい気もするが、それが短編の特徴か。

【「ボクの夏休み」松本順子】
 高校生がドーナツ屋にアルバイトをして、そこで見た年上の若者たちの生態を描く。ダンキンドーナツ屋のような店らしいが、店内で仕事をする人々の描写力は抜群。小説にかなりの経歴をもつひとでも、仕事場を巧く書ける人は少ない。気分を優先するあまり、意識が回らないのであろう。時代がいつの時点かも不明な作品も見受けられる。現実には人は仕事をすることで社会と結びつく。この小説を読んで、それが大正や昭和の物語だと間違える人はないであろう。
…………………… ☆ ……………………
テレビが新聞を読み上げる時代になりました。情報ルートが単純化しすぎています。情報の多様化に参加のため「暮らしのノートPJ・ITO」ニュースサイトを起動させました。運営する団体・企業の存在感を高めるため、ホームページへのアクセスアップのためにこのサイトの「カテゴリー」スペースを掲示しませんか。文芸同志会年会費4800円、同人誌表紙写真、編集後記掲載料800円(同人雑誌のみ、個人で作品発表をしたい方は詩人回廊に発表の庭を作れます。)。企業は別途取材費が必要です。検索の事例

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