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2008年4月13日 (日)

同人誌「孤愁」第3号(横浜市)

【「漂泊」豊田一郎】
一人同人誌。作者が30年前に書いたという作品。新聞社の海外派遣員をしていた記者が、NYのブルックリンの日本人女性の家に招かれると、アーサーというベトナム戦争の兵士あがりの男と同居していた。そのアーサーがベトナム戦争で覚えた麻薬にはまって、逮捕され刑務所に入っていることを知らされる。そのことを女性の友人に知らせると、もう関係ないという。ベトナム戦争に狩り立てられた貧しい境遇のアーサーの孤独。作中でも国家の「犬」として扱われ、戦場に狩り出されたアーサーを間接的に表現し、現在読んでも巧い作品になっている。
 どこの国の兵士も、国家権力によって「犬」にされてしまう。「犬」と「犬」が血を流し、理由なき憎しみをつのらせる。だれがその権力の支配から脱け出られるのか、と考えさせる。 

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