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2008年3月23日 (日)

詩の紹介  短詩選  作者 江原 茂雄

(紹介者 江 素瑛)
             ☆
           「 しゃっくり」
           おれがおれに
           びっくりしてるんだ
        
  ひとには意識と潜在意識で、多少違う性質の人格が持っている。水面下に隠れる二重人格のようなものである。しゃっくりするとき、きっと水面下の人格がにゅっと頭を出しているのだ。
                ☆
            「 秋 」  
           葉が落ちる
           落ちることによって
           世界を美しくしている

  葉が落ちる、美しく悲しく死んでいる。なぜか、樹木が1年の眠りに入っていくだけなのに、死を感じるほど哀愁がある。人間の死と同じに感じる秋のひと時。人は死んで世界を美しくすることがあるのか。どこかで、いまも血を流し合う人々よ。
             
                ☆
           「 将棋と人生 」
           なるほどそういう手もあるか
  
  さんざん思案した末の一手もあれば、考えずに思わず指してしまった一手もある。人生の道はそれぞれ、どんな手でもローマに通るのだ。
                2008・3    「眼」21号より(世田谷)「眼の会」。

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