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2008年3月15日 (土)

季刊「農民文学」No.280玄冬号(群馬県)作品紹介

【「独り暮らし」森田明】
東京に出て就職していた正彦は、会社のリストラを機会に58歳で早期退職し、故郷で農家をするつもりになる。生まれ故郷の茨城県のT市に戻り独り暮らしをしている。妻の千恵子が、刺激のない田舎暮らしは厭だというので、都会暮らしを気楽にしながら、たまにT市にやってくる。
久しぶりに独身生活になった正彦だが、夫を亡くした未亡人が同窓会仲間にいたり、図書館で知り合った中年女性と出会うなど、農作業はこれからというのに、そのほうは発展してゆく。その間に現在の農家の現状が地道に描かれる。いかにも農民文学らしい土の匂いの漂う逸話がでる。地味で単調な作風だが、いかにもそれらしいところが、読ませる。その生活も妻の千恵子が癌になり余命いくばくもないと分かって、茨城の病院で手術。妻の介護に全力を尽くそうとする正彦の気持を示して終わる。

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