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2008年3月24日 (月)

「辞める理由、続ける理由」(8) 麻葉佳那史

 配膳会から五十代の女性が、土日祝日の手伝いに来てくれた。毎週同じ人なので、仕事が日を追って馴れ、昼と夜のあいだの休憩がやがてとれるようになった。また洗浄機に入れる皿類やナイフ等をのせるラツクのそののせ方の工夫をその女性が教えてくれた。いままでカレーショップや社員食堂などで働いていたとのことだ。
 休憩のときその女性は、「時給千二百円というから暇かなと思ってきたのに、この忙しさでは時給が安すぎる」と文句をいう。「私は時給千円ですよ」というと、「あなたは専属で、長時間働いているからいいの、わたしは臨時で来ているのだもの」とわかったようなわからないようなことをいう。
 そういうこともあり、疲れはさらに蓄積してゆく。
 その女性は平日の私の休日のときにも出勤するようになったが、病気で入院手術をし、退院して復帰してくれたが、体調が思わしくなく、ホール係の人が不親切だといって辞めた。入院まえと変りない仕事を望まれたのが回復期の体によくなかったようだ。
 配膳会から新しい女性が来てくれた。
 十一月になっていた。ホール係の人に今年いっぱいで辞めたいといった。後日、新年から昼だけでもしてもらえないかと提案されたので、受け入れた。
 十二月二十一日から二十五日のクリスマスの書き入れ時は、毎夜配膳会から別の人が来た。二、三十代の男女も来て、このような単発の仕事を転々としているという。フリーターの存在を知っていたが、実際一緒に仕事をすると、彼等の生き方に不安を感じた。
 新年になって大学四年の男性がバイトで夜を担当したが、三月初めに就職先が決まると辞めた。
 配膳会の女性が突然の病気で辞め、別の女性が来た。六十七歳の血色のよい人だ。
 再び忙しい日だけという条件で夜もするようになったが、いつか毎日になったので、七月にまた辞めたいというと、昼だけにしてくれた。(つづく)

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