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2008年3月19日 (水)

同人誌「文芸中部」77号(東海市)作品紹介(2)

【「クリオネとクランツウェルツノガエル」藤澤美子】
学生時代に、クリオネを飼う「私」の友人の里穂と蛙を飼う武郎のことから始まり、35歳になってガンで亡くなる里穂を描きながら、武郎をめぐる熾烈な心理的な戦いを想像させる手法の作品。風変わりなペットを登場させることで、意味深長な人情を比喩的に転換している。
【「こだま戯譚―木曾式運材物語」吉村登】
木曾の御嶽山麗に立つ樹齢700年の木の霊が、戦国時代に伐採されて、木を木曽川で筏流しする人々の仕事ぶりを描く。よく調べていて、昔の木材運搬に係る民衆の、事故死あり恋愛ありのエピソードをからめて歴史を描き面白く読めた。

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