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2008年2月28日 (木)

 「砂」106号の作品を読んで=中村治幸(1)

【詩「砂町」 高橋義和】
 青春を回顧して、往時の憧れのマドンナに同窓会で会わないでよかったのかも知れない。
「あの砂町の灰色の風景は/わが青春の憧れの君と重なって/今でも/懐かしい想い出に満ちている」という感慨に共感をした。
【随筆「ミルク色のチュウインガム」 渡辺千葉】
 おどろいたのは畑の畦道へ、チッソ会社からの工場廃液が流れていた、ということだ。そしてそれを小学生らがチュウインガムのように口に入れ、噛んでは透明な風船をつくって飛ばしっこして遊んでいたとは。───
 可愛がってくれた伯父が水俣病の諸症状を発して亡くなりながら、他の原因などを主張する研究者がいて、公式に確定されなかったのはむごいことだ。
 水俣病を子供の立場で描いたことが、いたずらに構えずに読めたのがよかった。
【随筆「むしとり」 荻野広明】
 子供のころはよく虫捕りができた場所があったが、いまはなくなってしまった。という郷愁がよく描けている。その虫たちを 沢山の友人 と呼ぶ作者の心根がよい。だから、最終文節で あいつら という言葉に共感を覚える。
 バッタの害をしかし「蝗害」という字を当てることで、イナゴこそいい迷惑だ、というところにも作者の心情を感じる。
 ただ「筆者」という語が十五も使われているが、「私」でいいのではないだろうか。

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