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2008年1月 6日 (日)

同人誌「視点」(東京・多摩市)第68号作品紹介

【「笑い転げたあの時」臼井明子】
小野家の4人姉妹であったが、そのうちの一人は73歳で病死したため、3姉妹でT温泉に行く。高齢になったため、姉妹で旅行をするのは、これが最後であろうという予感の中で、温泉場を楽しむ話。自己表現的な意識の強い作風ながら、人生を感じさせる味が滲んでいる。

【「北へ渡った女」筑紫亮】
ロンドンのアルカイダのテロ事件が出没する中で、女スパイらしき女性が登場する。一人が日本人で、そのほかはジュージ、ジュリアーノ、ティモシティ、リチャード、ジーナ、レジーナという外国人が入り乱れて活動する物語。読切り連載みたいで、ちょっと身に入らない読後感であった。外国人をそれらしく描くのは、難しいところありそうだ。

【「コマチ(第3回)」浜田雄治】
現代人の医療関係の仕事をしていた若い女性が、原始時代の社会に飛び込んで、原始的生活をするSF小説の形式だが、現代と古代を比較して生活の意味を考えてみようという意図がよめないでもない物語で、まだ終わっていない。ただ、創作への意欲が出ているので、読ませるところがある。

 その他【「おんな万事塞翁が馬」矢田山聖子】、【「東京郊外(3)」石川テイ子】、【「杉本寺・石との対峙」萩照子】などがある。
発行所=多摩市永山5-4-9、視点社。編集発行人=大類秀志。

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