« 07年文学回顧「6氏が選んだベスト3」(読売新聞) | トップページ | 「バカ市長」で新潮社に20万円支払い命令 »

2007年12月27日 (木)

 詩の紹介 「 故郷 」 作者 劉心心 

 (紹介者 江 素瑛)
 これは植民地の哀歌である。植民地の「祖国」は、統治者が変われば変わる。近世紀には台湾は、日本、中国の統治を経て、実質中、現在はアメリカの傘下で、台湾人総統が執政しても、多数の若者が海外移民などをめざす。

 どうしてお前の故郷は/ 何時も海の向こうでなければならないのだろう!と嘆いた作者。
 しかし、最近の傾向は、当時の若者の子供たち、即ち、海外の二世たちが、台湾へ回帰することが多いようだ。「祖国」に対する認識がたかまってきているのであろう。

  故郷    劉心心

  半世紀以前のある日/ 学校の先生が生徒に言いました/ 「今日からお前たちは皆日本人だ/ 北の方、東海の向こう/ 天皇陛下のおわす『内地』が/お前たちの忠誠を尽くすべき国家」  

  四十年前のある日/ 学校の先生が学生に言いました/ 「今日からお前たちは皆中国人だ/ 西の方、台湾海峡の向こう 中国大陸が/お前たちの愛する祖国」

 二十年前の学生たちは、友達に言いました。/「東の方、太平洋の向こうに広大な土地がある/皆一緒に移住しよう。 皆でアメリカ人になるんだ/ 我々のドリームはアメリカにある」

 今の大人たちは/ 自分のアメリカの子どもたちに言いました/ 「太平洋の向こうの/ 小さな小さな海島/ 緑濃き山々 清らかな流れ 淳朴な人々/ あそこがお前たちの故郷/ 我々の真の国土なのだ」/ 暖かい母親のふところよ/ 赤子のゆりかごよ

 ふところは何処に?/ゆりかごは?

寂しい台湾人よ!/流浪の台湾人よ!/ どうしてお前の故郷は/ 何時も海の向こうでなければならないのだろう!

 「愛する日本の孫たちへ」より(聞き手 猪股るー) 桜の花出版/発売 星雲社       
2007年4月

|

« 07年文学回顧「6氏が選んだベスト3」(読売新聞) | トップページ | 「バカ市長」で新潮社に20万円支払い命令 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 07年文学回顧「6氏が選んだベスト3」(読売新聞) | トップページ | 「バカ市長」で新潮社に20万円支払い命令 »