「バカ市長」で新潮社に20万円支払い命令
飲酒運転した職員の処分を巡り、週刊新潮が「バカ市長」と題する記事を掲載したのは名誉棄損にあたるとして、滋賀県彦根市の獅山向洋(ししやま・こうよう)市長が発行元の新潮社(東京都)に慰謝料など約2200万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は26日、1審・大津地裁判決を変更し、同社に慰謝料20万円の支払いを命じた。横田勝年裁判長は「全人格を否定したもので、論評の範囲を逸脱している」と指摘した。
判決によると、元検事で弁護士の獅山市長は昨年10月の定例記者会見で、自己に不利益な供述の強要を禁じている憲法38条を根拠に、「公務員にだけ公務外の飲酒運転について報告義務を求めるのは職業差別」と発言。週刊新潮は昨年11月9日号の記事の中で「『バカにつける薬』は未だ、発見されていない」などと批判した。
大津地裁は今年7月、「いささか侮べつ的で品位を欠くが、意見や論評の域を逸脱したとは言えない」として、請求を棄却した。【川辺康広】
▽獅山向洋・彦根市長の話 大津地裁は敗訴で0点だが、今回は20点。これだけの事をやりながら20万円の慰謝料で済むなら、悪しき前例になる心配がある。
▽週刊新潮編集部の話 常識では考えられない判決なので、即刻上告する。
(:12月26日、毎日新聞)
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