文芸時評「新年号各誌から」沼野充義
(東京新聞12月26日)《対象作品》
「新潮」=「独創2008創作特集」、「特別付録CD古川日出男選・朗読『日本現代名詩選』」。木谷有希子「グ、ア、ム」=演劇的で快調な筆の運び。中原昌也「忌まわしき湖の畔で」=書く無意味さ事故言及。
「群像」特集「いのち」。河野多恵子「いのち贈られ」=異母妹の病死/原田康子「五月晴朗」=末期癌の夫/岡松和夫「朋友」=同級生の急病死/横田創「いまは夜である」=忘年会後の若者たちの雑魚寝/前田司郎「嫌な話」=偶然引き起こされた交通事故死/中山智幸「平坦な町」=拾われたうなぎ/朝比奈あすか「天使の輪」=妊娠。
中原昌也「新売春組織『割れ目』(群像)/同「誰も映っていない」(すばる)/同「事態は悪化する」(文学界)/山城むつみ「改行の可・不可」(新潮)。
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