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2007年10月24日 (水)

同人誌「創」第2号(名古屋市)作品紹介(3)

【「あもーれ」朝岡明美】
ある海辺の町の喫茶店兼スナックのような店を父と娘が経営する。娘は医師で金持ちの息子と恋愛するが、身分がちがうという考えで、相手の親が仕組んだ細工に乗せられ別れた心の傷をもつ。ちょっと古風な人情話で、まとまっているが、話に新味はない。しかし、町の雰囲気、店の雰囲気を描くのが素晴らしい。行間でそのムードを伝えるのがじつに巧い。書き手として読んでも、うらやましいものがある。無理に物語を作らずに、物語を想像させる散文を心がけたら粋な純文学になるような気がする。

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