同人誌「創」第2号(名古屋市)作品紹介(1)
同人誌「創」は、栄中日文化センター「小説を創る」教室・発行。発行所=〒458-0833名古屋市緑区青山2-71、安藤方、「創」編集部。前回の創刊号では、前から順に読んでいて、途中で続き読むのを忘れてしまった。そこで、今回は、奥付の後ろか読むことにしよう。
【「光る眼」長沼宏之】
健康に自信のあった村岡は、会社の健診通知を開封しないで放置していた。しばららくして、開けてみたら肺に精密検査必要なものがあると、なっている。定年にあとわずかな58歳に至ってことである。そこで、今後の生き方を考えたり、過去の会社の女性同僚との思い残しなどを回想する。精密検査の結果は、がんは見つからないが、気になるものはあるので、近日中に再度検査するということで終る。面白く読んだ。
自分も58歳のときに、健診で精密検査を受けるようにいわれ、いろいろ検査の末、気になるものがあるので、生検で肉をとり、精密検査。ここに書かれているのと似たような経験がある。自分は、よく分からないので摘出してしまえと、手術。手術後、自分よりベッド脇にいる家の者のほうが、が顔色が悪いので、変だとおもっていたら、その結果はがんの宣告だったようだ。それ以来、定期検査を続けている。
この作品で、過去の仕事場で一緒の女性の思い出話があるが、これは省略して、今後の人生をどうするかを考えるところを、もっと長く書いた方がよいのでは。病気になったからといって、べつにどうしようもないので、結論など出ないのだが、その出ないのに考えてしまう過程を書くのも文学なのではないだろうか。それと検査の過程で知り合った、同病の人達に関するところを、読者としてもっと詳しく知りたい。自分も、待合室で妙に病気に詳しいひとに声かけられ、質問された。応えると「いや、それはやばいですよ」とか、「そうなら心配ないですよ」とか、医者顔負けの解説をされて驚いた記憶がある。
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