同人誌「文学街」240号(東京)作品紹介など(3)
近年の「文学街」は、その活動と掲載作品に勢いがあり、活き活きとしている。自分の知る範囲では、主宰の森啓夫氏は、長い間、全国同人雑誌作家協会で、運営に力を注いでいたが、そこでは、文学的主張を十分に発揮できないと感じたようで、同協会を退会し、「文学街」の充実に力を注ぎ、文学的主張の実現にとりかかり始めたようである。その後、森氏の去った全国同人雑誌作家協会は、「全作家協会」と名称を変更している。
もともと「文学街」は、巻末に読者との交流の頁があり、作品発表者と会員読者との意見交流が記されている。自分も同人誌の同人誌らしさとは、どんなものかという関心からしばらく会員となって、愛読させてもらった。また、文芸評論家の岩谷征捷氏の掲載作品論が毎号掲載されるなど、読者側の充実ぶりが顕著である。近年は、会員も200名を超え運営も手一杯という話しも聞いたので、今頃は300名近くになっているのでなかろうか。
文芸思潮の五十嵐勉氏の活動とも連携したり、全国の同人雑誌からの推薦作品を再掲載する企画、「作家&読者交流の集い」を東京で開催するなど、全国の同人雑誌運営者や作家との交流を深めている。こうした見方は、自分の解釈のもので、他にもあるかもしれないが、外部から見た流れは当たらずとも遠からずではないかと思う。
「文学街」発行所=〒168-0065東京都杉並区浜田山2-15-41「文学街社」。
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