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2007年8月29日 (水)

同人誌「安藝文学」第75号(広島市)

【「雲の向こうのメメント モリ」梶川洋一郎】
原爆投下された広島で、戦時中に青年将校であった修平と、同じ時代を生きた男たちが、それぞれの過去を抱きながら、町の将棋道場で交流する。将棋会には、それぞれの戦争の過去のトラウマが渦巻き、まさしく戦時中の精神の戦いがそこに再現されている。現在になっても戦争が終っていない老人たちの、運命への怒り、嘆き、悔恨を迫力をもって描く。妻と娘を失って生きてきた修平の怒りと悲嘆に心を打たれた。

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