小泉今日子の7月書評[「おいしい庭」
読売新聞7月22日の女優・小泉今日子書評は筒井ともみ「おいしい庭」(光文社)。作品については、作者の「筒井さんは、そんな心の庭を手入れしながらカッコイイ大人になったのだと、このエッセイを読んで思った。私の庭は時々大人になりきれない気持ちの隠し場所になってしまう。だから泣きたくなる」ーーと書く。
今回は表現力豊かで、はじまりが
「私のマンションの部屋には小さな庭がついている。そこが気に入って住んでいる。日当たりが良く、土も良いらしく、たいして世話をしていないのに植物たちは元気に花を咲かせてくれる。この庭の草むしりをしてる時、私は自分の心の奥にひっそりと眠る少女心を手入れしているような気分になり、いつも少し泣きたくなる」である。
出だしから、終わりまで見事な仕上がり。舞台の一幕をみせるように、こころの揺らぎを表現する。作家になってしまうかもね、この女優さんは。
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