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2007年7月 1日 (日)

「構想」42号(長野県)作品紹介(2)

【「同じ森を見ている」藤田愛子】
神奈川県に住む高齢の女性が、同じマンションに住む若者と韓国の俳優尾挨拶のあるロードショーを東京まで見に行く話。若者は県の福祉関係の職場に勤めているので、女性には福祉的な発想があるらしいのだが、女性にはそれが、生活の重要なアクセントになっている。一種の萌え的な情念世界を描いて、それとなく、ものを思わせる作品。

【「叫び」畠山拓】
消防士と女性放火犯との関係を語る。たしか「くまえり」事件とかで、そのような女性が居た。物語にスピード感があり、面白く読めるが、反面、構成と細部に粗さが感じる。

【「『佳』第ⅩⅣ」島田貴美子】
大長編である。「佳」の娘が口蓋裂で生まれきたのを、手術で改善してきたが、思春期を迎え、娘はそれを苦にして悩む。その母親の気持ちを中心に描かれる。持続する筆力に敬意をひょうしたくなるが、文章力にたよって、構成や語り方が平板になっているのが気になった。

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