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2007年6月10日 (日)

小泉今日子の書評=中島たいこ「建てて、いい?」

<読売新聞6月10日>35歳の独身OLが、40までには結婚しよう、と思ったのが、アパートの階段からゴミ袋を抱えた状態で、転げ落ちた時だ、というような話がある本だという。それが、結婚相手探しから家を建てる執念に変わるらしい。じつに理のある現象だ。
 小泉今日子は、賃貸生活25周年だという。じつに共感できる。かくいう、自分は賃貸生活35周年である。資産はないが、ローンも借金もない。そこには、生活の自由が多くある。
日本人が、政府の政策に従順なのはローンで生活の自由を奪われているからであることに、大きな原因があるのではないだろうか。

 年金、介護保険、失業保険など、国に金を貯めておいてはダメなのだ。たとえば、失業保険でいうと、去年集めた保険料から、次の年の失業者に支払うようにすればいいのだ。失業した人には、その収支決算を示し、前年の保険料を集めで、全失業者に振分けたところ、あなたにはこれだけしか支払えません、と説明するのだ。少なくたってないものはないのだから、納得するであろう。年間ごとの期間で集まった資金を、次の年で使うようにすれば、長期に預ける必要がないし、使い込まれても追及が簡単だ。社会保険庁は、時間がたてばすべてが記録がないといえばいい、そう決めていたのだろう。―――こんなことまで考えさせるところは、小泉今日子の視点の良さである。

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