小泉今日子の日曜書評
《読売新聞5月13日付け》今回は安東みきえの童話「頭のうちどころが悪かった熊の話」(理論社)を選んだ。童話であるが、大人になって読むとまた別の意味が汲み取れる、と解説。彼女は、出来が悪かったので、叱られたことが多いという。叱られながら守られまれ、学んだと語る。
――この「よみうり堂」欄の書評は、作家、大学教授、学者、など社会的、文化的地位の高い人々が、読売新聞社に集まり気になる本をそれぞれ選んで書評をするそうである。キョンキョンが本に書いている。そして、自分が中卒であることにちょっとこだわりを見せている。ひょっこりと、折に触れこの、こだわりを意識して提示するというのは、文学的に大切で、話を広げ奥行きをもたせる効果がある。学歴があると、それができない。彼女の特権みたいなものだ。年少にして民衆の期待を背負ってしまったのだから、だらだらとした学生生活などしないで、社会貢献したのは偉い。我々の若き時代は、金の卵といわれまず労働者として社会貢献し、そのなかで自分の歩むべき道を見つけたものだ。転職はつきものであった。「わが職業の遍歴」とでも題して、この世代の人に話をさせたら新聞雑誌テーマの種はつきないであろうに。如何せん、編集者がその意味を知らない。
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