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2007年4月 5日 (木)

豊田一郎の「孤愁」1号・作品紹介

【「八月十五日」豊田一郎】
主人公の女性は、両親は空襲で死に、兄は出兵していて戦死する。医師をしながら独身のまままである女性。戦前の日本と敗戦後の日本を眺められる立場から、天皇制をもって国家体制をたもつ日本国の本質と日本人の資質について思索する。硬派の小説である。そのなかで、戦後を通過してたどりついた現在の日本を暗黒時代だとする。主人公を女性にしたところが、ミソのようだ。常に人間を社会の関わりで描く作者の特徴がよく出ていて、自分らには読み応えを感じる作品。すぐ読み終えてしまった。
 同人誌といっても、同人は豊田氏だけで、作品はこの1作だけである。
 作者の豊田一郎氏は、「日通文学」の編集長をしていた。それが休刊となって、独り同人誌を発行したのだという。同人仲間つくっても、その年齢から、責任がもてないので一人同人誌にしたと、後記にある。さまざまな同人誌活動をしてきた経験から、選択したみちであろう。自分もみんなという抽象概念がなじめないほうなので、共感を感じた。

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