「文―BUN」第4号・立命館大学文芸創作同好会(2)
【「窓際の神様」木林黒白】
授業中に迷い猫のいるのに気がつく。周りの学友の描写がすこし面白い。2階の教室から眺めていると神の視点で考えたり見たりする。自己の存在から人間存在の些少ぶりなど、短い中に凝縮した思考が盛り込まれている。携帯のニュースを読むと、「北が核の発射準備」とある。絶望する。
【「生ける自殺者」木林黒白】
誰かが自殺する。自殺者がでるとマスコミが騒ぎ立てる。その後、自殺者が亡霊となって、語り手と会話、討論をする。そして自殺者の世界と語り手の世界が併合合流する。
これまでの作品で感じるのは、現在の社会のどう向き合っていくかという課題について関心が高く、表現の意欲もそこに集っているようだ。とにかく、社会という仕組みは、選ぶことが出来ずに所与存在として、若者たちの前に突き出されている。そこに植木等のスーダラ人生を予測することない。そのなかで悪戦苦闘を予感している精神が伺える。創作をするというので、そういう構えをするのかもしれない、とも思う。
| 固定リンク
コメント