東浩紀氏の文芸評論「ゲーム的リアリズム誕生」(講談社)
<講談社メールマガジンより>
東浩紀です。本を出さない、出さないと言われていた僕ですが、ついに新著を
書きました。『ゲーム的リアリズムの誕生』は、『動物化するポストモダン』の続編ですが、単独でも読める著作です。ライトノベルやオタク系のゲームなど、いささか特殊な作品を扱っていますが、議論の中心は、「ポストモダン、すなわち物語の力が衰えた世界において、それでも物語を語ろうとすればどうなるか」という普遍的な問いかけにあります。議論は大塚英志の評論から始まり、ライトノベルと美少女ゲームを通過して、最後は舞城王太郎の小説で終わります。
『ゲーム的リアリズムの誕生』には多様な文脈が流れ込んでいます。この本は、僕がはじめて記した本格的な(といってもかなり変化球的ですが)文芸評論であり、アップデートされたポストモダン論であり、また同時にライトノベル・ブームへの僕自身の関与の総決算の書でもあります。「オタクたちの文学」の大雑把な紹介としても読めるでしょうし、市場の行方を占う本としてもあるていど役立つと思います。二〇〇六年の後半から書き始めているので、「涼宮ハルヒ」『ひぐらしのなく頃に』といった流行にも対応しています(笑)。いろいろな読み方をしてもらいたい本です。
批評家としての僕の力量は、この著作でかなり明らかになっていると思います。
ぜひご一読ください。 【東浩紀】
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