北原文雄著「島で生きる」から
農民文学賞作家・北原文雄さんのエッセイ集「島で生きる」(教育出版センター刊)を、すこしずつ読んでいる。農民文学賞受賞者は、その後も農民であり、作家業にならない人がほとんどのようである。そこには、文学に生きるのではなく、よりよく生きることのための文化が文学であることがよく示されている。このエッセイも、生活と文学との合流点を足場にしているので、足が大地に踏んでいるような手ごたえのあるものが多い。たとえば、農民一揆と義民伝説などは、地域の話のようでいて、全国一般的なものではないかと、感じさせる。
昨年の第一回目の「伊藤桂一先生を囲む会」に出席された話も「詩を大事にする作家」(兵庫県現代詩協会「会報」掲載文)として収められている。今年の第2回「囲む会」の様子もどこかに書いているのかもしれない。
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