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2007年3月10日 (土)

「文芸中部」74号・作品紹介(3)

【「地下室」朝岡明美】
 40歳のOL、麻衣子は日の当る秘書課にいたが、主任となって地下にある厚生課に転属される。そこには売店と食堂も併設されている。
 転属したとたんに、売店を手伝っていた小柄な女子社員が貧血を起こして倒れる。そこから、女性の課長や社員たちのゆるゆるとした中の切実な生活を垣間見せる。麻衣子も自分を棄てて他の女と結婚した男と、まだ連絡を取りあっているようなゆるい生活をしている。
散漫ではあるが、地下にあるオフィスという設定が非常によく効いており、下界と内界の往来という事態を巧く演出できている。日常の小さな幸せ感と、閉塞感という矛盾した現実を描いているように読める。まさしく小説は書きようであるな、と思わせる。面白い。(つづく)
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