« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »

2007年1月31日 (水)

把瑠都と新入幕力士はいなかった

把瑠都で知られる大相撲「尾上部屋」で朝稽古を見せてくれるというので、早起きして駆けつけた。白石が十両昇進で「白乃波」となったという。把瑠都や新入幕の力士は姿を見せなかったが、稽古を見るのは面白い。新聞記者も来ていた。
「尾上部屋の近況」

| | コメント (0)

「小檜山博全集」(全8巻・柏艪舎)を刊行

札幌市在住の小檜山博さん(69歳)が全集を刊行。小説129編やエッセー、旅行記などを網羅している。
「北方文芸」に発表された「出刃」(76年)が芥川賞候補になり、受賞は逸したが名物編集長坂本一亀氏の構想社から刊行される。当時39歳。全集第1巻には、「出刃」に至るまでの10代から30代にかけての小説25編が収められている。
小檜山さんはオホーツク海に近い紋別郡滝上町の開拓農家の生まれ。貧しく、両親は炭焼きなどに追われ家にいない。感情を文章にする習慣がついた。過酷な山の仕事場にいる兄からの仕送り。苫小牧工高を卒業するまでの苦闘ぶりは「地の音」(84年)など自伝的小説にくわしい。高卒後、北海道新聞社入社。大学進学を夢みつ、創作を試みた。農地を捨てたものの貧窮から抜けられない男を描いた「出刃」。開拓地を舞台にした「黯い足音」(78年)、さらに「イタチ捕り」(同)では、「タコ部屋」の壮絶さを描く。「人間にとってセックスは食と同じ」という思想から、野性に満ちた男が都会の女を北海道に連れ帰る長編「光る女」(82年)。「クマソタケルの末裔」(89年)、「パラオ・レノン」(94年)など現代文明を鋭く風刺する作品続く。その視線は8年半の東京勤務体験から来ているという。父母の故郷福島喜多方で自らのルーツを探訪する「光る大雪」(02年)は、「地の音」など一連の自伝的作品の総決算。
 47年勤めた北海道新聞社を退社、いまは神田日勝記念美術館(北海道鹿追町)館長、北海道新聞文学賞選考委員などを務める。《毎日新聞1月25日E・米本浩二記者》

| | コメント (0)

2007年1月30日 (火)

「伊藤桂一先生を囲む会」に参加

 1月28日(日)、伊藤桂一先生の詩集[「ある年の年頭の所感」(潮流社)刊行と90歳の祝賀会を兼ねた「囲む会」を開催された。場所は昨年と同じ、市ヶ谷アルカディア。当日は、伊藤先生と同郷(四日市市)のシャンソン歌手・橘妃呂子さんが特別参加、お祝いの歌などを3曲披露した。
 文芸評論家の勝又浩・法政大学教授や豊田一郎全作家協会会長、作家・ジャーナリストの穂高健一氏なども参加、盛会であった。
 こちらは、事務局員で、扉の外にいて遅れてくる人の受付で、内容がどうであったかは不明。

 なかでも、淡路島在住の農民文学賞・受賞作家・北原文雄さんから著作「島で生きる」(教育出版センター)を戴いた。これが660頁の厚くて重い。よくぞ持ち歩いてこられた、と驚く。これは、西暦21世紀になってから6年間に書いたエッセイ集だという。読む気をそそるものがあるので、これから読んでみよう。

| | コメント (0)

2007年1月29日 (月)

労働者文学賞 2007(第18回)公募

《 種目》小説・評論・記録・詩
《原稿制限》 小説50枚以内、評論・記録30枚以内 詩100行以内、いずれも一人3編とし、400詰原稿用紙に清書。ワープロ原稿の場合は、縦書きで一行20字×20行または40行とすること。(応募規定厳守、規定外は失格とする)
《応募作品》いずれも未発表作品に限るが、2006年中に発行された同人誌などの、非商業誌に掲載された作品は可。但し前項規定にもとずいて清書する。
《締 切 り》2008年2月末日(当日消印有効)
《応募条件》 応募される方は発表誌を送付するので(08年6月刊行予定)80円切手12枚を同封すること。
《入選》各一編とし、賞金は小説5万円、評論・記録3万円、詩2万円、 別に入選・佳作共に記念品を贈呈する。
《発表》作品と選考経過については『労働者文学』07年6月発行予定の第60号で発表。(その間の問合せには応じられない)
《選考委員》小 説= 野呂重雄、清水克二、原田 筧、詩=青木実、木村和、《評論・記録》  木下昌明、神田貞三   
【送 付 先】〒113-0033東京都文京区本郷3-38-19 さかえビル2F
小川町企画気付 (電話の問い合わせは出来ません)
労働者文学会 (「労働者文学賞応募作品」と朱書する)
【 問合わせ】TEL・FAX 04-2948-1546 またはEメールrohbun-kakei@kzc.biglobe.ne.jp はらだ出版企画。又は、事務局0484-77-1458 [tel/fax] 篠原貞治へ

| | コメント (0)

2007年1月28日 (日)

菊池寛「日本文学案内」第二 必読の書(6)

      六、徒然草
 室町時代の日記随筆の中では徒然草が一番秀でている。作者兼好法師は四十歳を越えて出家したのだが、性行は禅僧の如く洒脱飄逸の趣きがある。彼の奇警な観察眼は枕草子に形式を模しているが、飄逸の趣味に依って甚だ個性的なものになっている。
恋愛を説き、解脱を説くところ、平安時代の趣味もあるかと思うと、鎌倉室町の思想たる儒道、老荘、仏教の思想あり、甚だ多岐複雑で矛盾しているように見えるが、要するに時代の思想界が混乱多岐だったのだろう。
 兼好を哲人にする人もある。自由なモラリストにする人もある。成るほど仏教思想儒教思想で宗教的理想や道徳的理想を論じているが、彼の批評精神の根本は趣味性であると思う。
こんなに強く凡ての上に趣味性を働かしていた人はすくないと思う。要するに趣味性の発達したエッセイストだというのが一番当っていはしないか。昔の日本人の思想なり、物の考え方、感じ方を理解するために読んで置く必要はあるだろう。

| | コメント (0)

2007年1月27日 (土)

図書新聞・同人誌評対象作品(よこいさん提供)

「図書新聞」第2807号 2007年1月27日「同人誌時評」たかとう匡子筆
「蝦蟇がえる」通雅彦(「文学街」230号/杉並区)、「長い遺書」若林亮成(「時間と空間」58号/小金井市)、「愛しのパティシェ」島田勢津子(「黄色い潜水艦」46/奈良市)、「詩と小説断簡」西岡光秋(「日本未来派」214号/練馬区)、「小説のなかの犀星―我が愛する詩人の伝記・北原白秋」笠森勇(「花粉期」215号/市川市)、宗左近追悼号(「海」25号/柏市)、「腕を水平に広げて立つ」中岡諄一(「沈黙」33/国立市)、「シャンデリアの舞踏会場」彦坂美喜子(「驟雨」vol.7/直方市)、「ソネット形式による連作短歌」中村忠雄(「青銅時代」47号/新宿区)

よこいさんのブログ「重力と恩寵」リンク

| | コメント (0)

霊能タレント・江原啓之さんの噂

ネットニュー<25日、J-castニュース>より。
「週刊文春」の07年2月1日号には「テレビの中の『わるいやつら』」という特集で江原さんが4ページにも渡って紹介されている。そこには「7つの疑問」が掲載されていて、その一つが「前世や守護霊はどうして中世の賢者や貴族ばかりなのか」という疑問だ。
テレビ朝日系で放送されている「オーラの泉」に出演する芸能人への霊視では公家、武士、巫女、貴族、修道士、思想家などの「職種」が多出している。地理的には日本、英、仏、伊に偏りアジアやアフリカは滅多に出ない。それが一覧表にされている。

地球上には民族も、職種もたくさんあるのに、なぜなのか、まともに考えれば「摩訶不思議」というしかない。

ただ、お笑いタレントの「劇団ひとり」の守護霊は西洋の文学者と「別の星の人」。つまり宇宙人だというのだ。
「『中世の賢者や貴族』って言ってもらった方が嬉しいから」
また、「賢者や貴族」ではない場合もあって、「中村橋之助は歌舞伎役者、千代大海は力士、細川たかしは民謡歌手と、まるで取って付けたような見事なハマりっぷりだ」と同誌では皮肉っている。

ネット上のQ&Aサイト「教えて!goo」や「知恵袋」では、
「霊視される側は『中世の賢者や貴族』って言ってもらった方が嬉しいから」
「そういうご立派な、前世や、守護霊を持つから、今功なり、名を遂げているのでは、ないですか?」
「その辺の時代が好きだから」
「それは彼のボキャブラリの限界なんじゃないですか?ようするに、その守護霊とやらが『名札』を付けている訳じゃないだろうということです」
といった「解説」がされている。

大手新聞OBの科学ジャーナリストはこう話す。
「小池栄子の前世は武家の側室、研ナオコはエジプトの巫女って…顔を見て適当に連想して言ってるとしか思えません。私は、もともと霊とか前世とかは信じないタイプで、こんな事を信じる人がなぜいるのか信じられない」
一方で、江原さんの大ファンという東京在住の30代サラリーマンの男性は、
「人間が生まれ変わるのにかかる年数はおよそ500年です。だから前世や守護霊が中世に偏ってしまうのだと思います」
という。だとしても、一定の地域が多いのはなぜなのか。
要は、「信じるものは救われん」ということだ。

| | コメント (0)

2007年1月26日 (金)

第9回小学館文庫小説公募

【応募規定】
〈募集対象〉ストーリー性豊かなエンタテイメント作品。プロ・アマは問いません。ジャンルは不問、自作未発表の小説(日本語で書かれたもの)に限ります。
〈原稿枚数〉A4サイズの用紙に40字×40行(縦組み)で印字し、75枚(120,000字)から200枚(320,000字)まで。
〈原稿規格〉必ず原稿には表紙をつけ、題名、住所、氏名(筆名)、年齢、性別、職業、略歴、電話番号、メールアドレス(有れば)を明記して、右肩を紐あるいはクリップで綴じ、ページをナンバリングしてください。また表紙の次ページに800字程度の「梗概」を付けてください。なお手書き原稿の作品に関しては選考対象外となります。
〈締め切り〉2007年9月30日(当日消印有効)
〈原稿宛先〉〒101-8001 東京都千代田区一ツ橋2-3-1 小学館 出版局「小学館文庫小説賞」係
〈選考方法〉小学館「文庫・文芸」編集部及び編集長が選考にあたります。
〈当選発表〉2008年5月刊の小学館文庫巻末ページで発表します。賞金は100万円(税込み)です。
〈出版権他〉受賞作の出版権は小学館に帰属し、出版に際しては規定の印税が支払われます。また雑誌掲載権、Web上の掲載権及び二次的利用権(映像化、コミック化、ゲーム化など)も小学館に帰属します。
〈注意事項〉二重投稿は失格とします。応募原稿の返却はいたしません。また、選考に関するお問い合せには応じられません。

※ 応募原稿にご記入いただいた個人情報は、「小学館文庫小説賞」の選考及び結果のご連絡の目的のみで使用し、あらかじめご本人の同意なく第三者に開示することはありません。

| | コメント (0)

2007年1月25日 (木)

大藪春彦賞決まる。北、柴田の両氏

第9回大藪春彦賞は、24日、北重人さん「蒼火」(文芸春秋)と柴田哲孝さんの{TENGU}の(祥伝社)の2作に決まった。副賞各250万円。

| | コメント (0)

2007年1月23日 (火)

菊池寛「日本文学案内」第二 必読の書(5)

      五、太平記
 室町時代の軍記物語は太平記、義経記、曽我物語、増鏡などあるが、太平記が一番面白い。
主として後醍醐天皇が北条氏追討の軍を起されてから、敗北を重ね給い、建武の中興に会い、また南北の争闘、楠木正成、新田義貞、北畠顕家などの忠勤、足利諸将の向背等、後醍醐天皇吉野に崩せられて、吉野朝も 次第に衰え行くまでの大小様々の事件を、時の順序に従って記したものである。
平家物語に比すると、生彩に乏しく、文章も修飾が多すぎる。然しこれも後世の文学に材料を提供している点では平家物語に劣らぬから、一応眼を通して置いていいのではないかと思う。

| | コメント (0)

2007年1月22日 (月)

文学フリマ会議と文集PR

昨年の反省会を行ったが、結論が出ないうちに、所要ができて中座してしまった。

なかで、「文学フリマ5周年記念文集」の販売に力をいれようという話もでた。
これには、文芸同志会を結成した1年後に「文芸研究月報」に掲載した、文学フリマ体験記や、文学フリマ・マーケティング論が転載されている。特に、マーケティング論は、なくなった文芸評論家の金子昌夫氏が「あれは、参加したものでないと、書けない」と感心してくれ、神奈川の同人誌の評論を寄稿していただいた。

| | コメント (0)

菊池寛「日本文学案内」第二 必読の書(4)

      四、平家物語
 平安時代から鎌倉時代に移ると、あの華麗奔放な王朝文学は衰微して、軍記物がこの時代の特色となっている。武士の勢力が増大して、武士が社会の中心になったからである。
殿上人の優雅な宴楽は感情的な、情趣に富んだ文学を起したが武人が政権を把握すると一種素朴雄健な文学が生れるのは当然なことであろう。
殊に平安末期には保元平治の乱があって、世は乱れ、詩歌管弦に耽っていた大宮人も、栄枯盛衰、有為転変と言った運命の悲劇を経験したのだから、人生観は根本的に変ってしまうのも無理はない。殺風景な現実を嫌悪し、逃避して、仏教の無常感に結びつくのも右のような事情に依るのだと思う。
 保元物語、平治物語、平家物語、源平盛衰記と鎌倉時代の軍記物語の中では平家物語が一番傑出している。源氏物語にしても枕草子にしても言葉が難解で簡単には読めないが、平家物語になると、非常に読み易い。
平安期は仮名文だが、鎌倉期に入ると、和漢混交文で、朗々称すべき名文であり、解り易いし、面白いのだから、これも必読の書と言うべきだ。
 平家が栄華を極めた時代から、その滅亡までの物語で、貴族的精神が武士的精神に打ち負かされて行く運命悲劇が叙されている。篇中の挿話も又、この運命悲劇を暗示するかの如く、あわれを誘うものがある。
例えば祇王祇女小督、横笛、建禮門院、成親、俊寛、熊谷直實、盛遠の挿話ははかない人生の無常が浸みていると思う。そして彼等は遂に仏門に入ってしまう。要するに平家物語も当代の思想たる無常感に貫かれている。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。驕れるもの久しからず、ただ春の夜の夢の如し、猛きものも遂には亡びぬ、偏に風の前の塵におなじ」という書き出しに、既に一篇の思想と物語の運命を暗示していると思う。
 もう一言付け加えるならば、平家物語は後世の文学に多くの材料を提供している点でも、可なり重要な書物だと思う。

| | コメント (0)

2007年1月21日 (日)

これから期待の女性作家3人-朝比奈、日和、柴崎、

昨年は、小川洋子、川上弘美、多和田葉子など、女性作家の活躍が目立った。読売新聞(1月9日・無署名)では、今年の活躍が期待できる女性作家を幾人かを挙げている。
☆日和聡子(32)=02年「ぴるま」で中原中也賞を受けた詩人。小説は04年から文芸誌に登場。中篇「火の旅」(近刊予定)では、憧れの作家、梅崎春夫の小説「幻化」の寄り添うように、作品の舞台となった土地の現在をたどる女性の旅を描いた。昨春で大学の事務の仕事を辞め書くことに専念。「小説を書くことは、詩とは全然違うものだった」と気づき苦しんだ時期もあったが、「きれいな小説じゃなくても、こんなものがあっていいんじゃないか、という作品を書いてみたい」。
☆柴崎友香(33)=「その街の今は」が芥川賞候補になった。文芸賞で最終選考に残ったのがきっかけで99年に短編デビュー。行定勲監督によって映画化された「きょうのできごと」でも話題になった。持ち味は、些細な会話や風景の描写を積み重ねることで、そこに流れている空気まで感じさせる点。
☆朝比奈あすか(30)=群像新人文学賞第1作「月曜日の朝へ」は、母ががんになり週末は郷里へ帰るOLの悩み多き日常に、恋人との関係、会社の問題などがからんでくる、バランスの取れた作品。

| | コメント (0)

2007年1月20日 (土)

菊池寛「日本文学案内」第二 必読の書(3)

      三、枕草子
 源氏物語が堂々たる構想と、細緻な心理描写を持ち、長編小説の有数の傑作として必読の書であるならは、これと相並んで才女の誉高い清少納言の枕草子も読み落としてはならぬものだと思う。枕草子三百一段は格別まとまった構想の上に出来たものではなく、今で云えば随感随想禄の類いである。唯その勝れた観察眼を以て、見聞した事件を細かに叙しているのには驚く。また、敏感な感受性に依って感想を豊麗なものにしている。枕草子も又自然の観察が面白い。
 斯うした観察と感想との間に、勝気な清少納言の自己礼讃が織り込まれているのを、批難する人もあるが、こんなにはっきりした個性の女は一寸珍らしいと思う。因襲に押し潰されて、反省もなく、個性もない現代女性は大いに枕草子を読むべきではないか。
 清少納言の観察は感性として勝れているが、内省としては貧しいものがある。はっきりした自我を持っていたとは云え、それは勝気な才媛としての自我である。然し枕草子的物の見方、感じ方は日本人の可なり根強い伝統的な性格ではないかと思うので、現代人に一読を勧める所以である。

| | コメント (0)

2007年1月19日 (金)

詩集「やわらかい旋律」著者 井手ひとみ・より

        
作品 「棒」を読んで       江 素瑛(投稿)

「棒」                  井出ひとみ
きっかけは何でもよかった/このたいくつな/ときをとめられるなら/なんでも/しよう//めもりのはいった/棒をのもう/きょうは一cmのもう/明日は二cmのもう//曲芸のように/のんで/一m五十七cmのんだら//わたしは棒になる//細長い/墓標になろう/一cmきざみに/線のはいった/なんでもない/白木の/棒になろう/なまえのない/一本の/棒になって/地面に/直立する

 井出さんとは、二回ほどお目にかかっている。最初の出会いは、彼女が、「詩と思想」誌に映像時評を書くために、映画を見に行くところであったようです。後でわかったのです。バス亭で私の後ろに並んでいる彼女は、私の落としたメモ用紙を拾ってくれたのです。どうして名刺を渡したのか、第一は、なにか書いていると伺ったことからのように思う。第二は、女性だから、婦人科医は役立つことがあれば、と。しかし、何か記憶に残るものがありました。「詩と思想」詩人の新年会で二回目遇った時、お互いに驚きました。これは運命というものか。

美形で、柔らかい顔立ちの彼女ですが、その内に芯の強さを秘めていることが、この棒の詩に良くあらわしています。人の一生には沢山の退屈さに耐えなくてはならないことがあります。細長い棒のように意地を張って直立し、それに屈しない彼女の姿なのでしょうか。

| | コメント (0)

2007年1月18日 (木)

第136回芥川賞は青山七恵さん(23)の「ひとり日和」

 第136回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は青山七恵さん(23)の「ひとり日和」(「文芸」秋号)に決まった。直木賞は4年ぶりに受賞作がなかった。
 初めての候補で受賞を決めた青山さんは、東京都内で記者会見し「今は現実のことだと信じられない気持ちでいっぱい」と喜びを語った。
 23歳での芥川賞決定は、19歳の綿矢りささん、20歳の金原ひとみさんに次ぐ3番目の若さで、石原慎太郎さん、大江健三郎さん、丸山健二さん、平野啓一郎さんの4人と同年齢。
 青山さんは埼玉県出身。東京都新宿区の旅行会社勤務で、一昨年デビューしたばかり。受賞作は第2作で、遠い親せきのおばあさんと暮らしながら自立に向かって歩み始める若い女性の心情をつづった。
 青山さんは圧倒的な得票で受賞を決めた。選考経過は委員の石原さんと村上龍さんが2人で説明した。石原さんは「都会の孤独や虚無的なものを感じさせる。村上さんのデビュー作に近いビビッドで鮮烈な描写があった」と絶賛。村上さんは「言葉の組み合わせが厳密で、抑制されている」と語った。
 直木賞の受賞作なしは2003年1月の第128回以来。選考委員の阿刀田高さんは「納得できる作品を選ばなければならないというのが、委員の総意だった」と説明。贈呈式は2月23日、東京・丸の内の東京会館で。賞金は100万円。

| | コメント (0)

2007年1月17日 (水)

第12回シナリオS1グランプリ公募(3月30日〆)

部門(1)=1時間ものドラマと部門(2)=2時間ものドラマ
 放送可能な1時間もの、あるいは2時間もののテレビドラマのシナリオを募集。
第11回「シナリオS1(エスワン)グランプリ」では大賞は選出されず、準グランプリ作が選ばれるにとどまった。あなたもグランプリを目指して書いてみませんか。なお1時間ものと2時間ものの両方に応募できるが、ただし各1作品ずつに限る。
 受賞作は「月刊シナリオ教室」誌上に掲載し、市場売り込みのチャンスを作る。制作会社やプロデューサーの目に留まればデビューも夢ではない。過去の受賞者は、プロット書きやコンペ等参加しながら腕を磨き、見事デビューを果たした人もいる。業界は今までにない新しい才能を求めている。あなたの熱いハートを伝えてください。作品を通して「あなた」を売り込みましょう。
《応募要項》
 自由。日本語で書かれたオリジナルのシナリオであること。原作の脚本化は不可。
部門(2)は各局で放送されている2時間ドラマをご覧になってこれはと思う枠を選び、その枠を想定して書いてください。
 現在放送中のものは「月曜ゴールデン」(TBS系)、 「火曜ドラマゴールド」(日本テレビ系)、「水曜ミステリー9」(TBS系)、「女と愛とミステリー」(テレビ東京系)、「金曜プレステージ」(フジテレビ系)、「土曜ワイド劇場」(テレビ朝日系)です
《応募規定》
 200字詰原稿用紙に縦書きで、部門(1)の場合は100枚から120枚。部門(2)は200枚から230枚。手書きの場合ペン書き、鉛筆は不可。ワープロの場合はB5サイズの用紙を横に使い、縦書きで20字×20行で打ってください。表紙に第12回「シナリオS1グランプリ」と朱書きし、部門の番号(1)か(2)を選び、題名、氏名を書く。
 部門(2)の場合は番組枠名を明記する。2枚目に氏名(ペンネームの場合は本名を明記)、住所、電話番号(携帯等昼間の連絡先も)、eメールアドレス、職業、生年月日、略歴、シナリオ・センター生は所属を明記する。
 3枚目に1000字以内のあらすじをつけてください。あらすじのあとには登場人物名一覧表をつけ、原稿には通しのページナンバーをつけ、バラバラにならないようにきっちりと綴じてください。 応募原稿は一切返却できません。
 平成19年3月30日(金)必着。 宛先 =〒107-0061 東京都港区北青山3-15-14  シナリオ・センター
 第12回「シナリオS1グランプリ」係まで持参するか送付する。

選考= 主催者の定める審査員に一任。なお部門の(1)と(2)の審査や賞の選考は一括で行います。発表= 平成19年6月下旬頃(月刊「シナリオ教室」平成19年7月号誌上)同時にグランプリ作品を掲載。
=表彰= グランプリ作品には、表彰状と賞金20万円を贈呈、ただし複数数の受賞、準グランプリ、佳作、奨励作などに該当する作品には、別途定める賞金を贈呈。その他 グランプリ作の放映権、付帯権利は社団法人映画文化協会に帰属。他のコンクールとの二重投稿は禁止。
主催 シナリオ・センター/社団法人映画文化協会

| | コメント (0)

2007年1月16日 (火)

第35回メフィスト賞受賞 古野まほろさん、メッセージ


(講談社メールマガジンより)
  講談社ブック倶楽部の皆様はじめまして。『天帝のはしたなき果実』(定価1,680円)でデビューしました古野まほろです。著者の生涯で初めての小説、どうぞ試みまで手に採ってみてください。
 これはまず探偵小説、つまり皆様からすれば謎(殺人犯)を解いてゆく物語であり、著者からすれば謎が解かれてゆく物語。つまり、武士道的公正美と能・茶道的様式美に基づく頭脳戦です。特に探偵小説に触れたことのない方、入門編に是非 どうぞ。古典的な、正統的な、そして本格的な探偵小説のエッセンスを詰めて詰めて詰め込んだからです。無論それだけではなく、十七歳という人生でいちばん美しい歳の高校生たちが吹奏楽という舞台を通じて紡ぐ青春小説であり、日常をがらがらと瓦解させるSFであり、かつ、ヒトに石もて追われる哀しい獣のさだめを描いた幻想小説でもあります。
  探偵小説だけど、新しい。探偵小説だけど、ひと味違う。皆様の脳裏に、どんなに些細なものでもいい、新しい風紋を描きたかった。皆様の御意見御批判、お待ちしています。
                               【古野まほろ】

| | コメント (0)

2007年1月15日 (月)

古書買取価格(品川区・ブックマート・07年1月)

▽単行本=北方謙三「血涙 新楊家将」(上・下)1200円/東野圭吾「使命と魂のリミット」600円/大道珠貴「蝶か蛾か」600円/カルロス・ゴーン「ゴーン・テキストビジネスの教科書」500円/絲山秋子「エスケイプ/アプセント」450円/村上春樹「はじめての文学 村上春樹」450円。

▽文庫=藤本ひとみ「皇帝ナポレオン」(上・下)600円/辻井喬「父の肖像」(上・下)400円/幸田真音日本国債オリジナル版」(上・下)400円/宮部みゆき「あかんべえ」(上・下)300円/野沢尚「烈火の月」250円。

| | コメント (0)

2007年1月13日 (土)

「構想」の崎村裕氏より作品紹介に反論

「構想」の崎村裕「煩悩障眼」のブログの作品紹介に、作者の崎村氏より反論がありました。以下、要旨は次の通り。

「小生の作について従来テーマについての説明がありすぎる、説明のない方がいいとの評がありましたので、『煩悩障眼』では、この逆をいった訳です。作者としては、新川重夫という人物に注目していただきたかった。人はお互いに全てを分かりあえなくても、何かひとつでも通ずるところがあれば共存共栄できるのだ、というのがテーマのつもりです。猫のはなしもありますが、重夫というのはとても義理堅い人だといった話が出てきます。アメリカが全てを自分と同じにしなければ気がすまない、同じでないものは敵だというのがイラク戦争ではないでしょうか。小説では主人公の「私」はこうしたことが分からないから知世子から離れていく。この離れていくのが、実は煩悩のなせる業なのだ、というのが、作者の狙いのつもりだったのです。小説というのは細部の書き込みが大事ですが、作者としては細部を読んで欲しかったと感じます」。

 というものでした。作者の主張と熱意に意義はありませんが、特に紹介ぶりを変更する必要もないように思えます。
 しかし、読者と作者との対話も悪くはありません。自作品のオピニオンとして、今後も掲載していきましょう。

| | コメント (0)

2007年1月12日 (金)

第5回「全国高校文芸誌(および創作)コンクール

○応募規定
(1)全国の高等学校、高等専門学校、各種学校、在日外国人学校で発行されている高校生や20歳未満の若者の手による文芸部機関誌、総合文化誌、現代詩や短歌、俳句の雑誌など(日本語表現のもの)。
(2)発行元が、学校あるいは生徒会で公認されている雑誌。
(3)刊行期間 2006年4月1日から2007年3月31日までに刊行された雑誌。
(4)同じ雑誌を3冊、指定の応募用紙に必要事項をご記入いただいたものを添えて、下記までお送りください。文芸誌は返却いたしません。(他のコンクールに応募された文芸誌でも出品は可能です)。

第6回全国「高校文芸誌(及び文芸創作)」コンクール 応募用紙  PDF版   Word版

※応募用紙のPDF版を表示するには、 Adobe Reader (無償配布)のダウンロードが必要です。
○送付先及び問い合わせ先
  〒750-8511
  山口県下関市向洋町1-1-1 梅光学院広報室内「高校文芸誌」コンクール係
  Email kouhou@baiko.ac.jp   TEL 0832-27-1011  FAX 0832-27-1017

○送付最終締め切り
 2007年4月30日(月) (当日消印有効)

○選考委員(本学教員)
  村田喜代子(作家 第97回芥川賞受賞)
  小林慎也(元・朝日新聞西部本社学芸部長)
  北川透(詩人 文芸評論家 第3回小野十三郎賞受賞)
  宮崎勝弘(元・朝日新聞編集委員、同西部本社「声」欄編集長)
  ひこ・田中(児童文学作家 第1回椋鳩十文学賞受賞)
  島田裕子(歌人)
  村中李衣(児童文学作家 野間児童文芸賞受賞)
  加藤邦彦(日本近・現代文学研究)
  学生3名(梅光学院大学文学部日本文学科 文芸・創作コースの在学生)
○入選・賞
「高校文芸誌」部門
●最優秀奨励賞  1冊…記念品と奨励金10万円
●優秀奨励賞  3冊…それぞれに記念品と奨励金5万円
●佳作  5冊…それぞれに奨励金2万円
●梅光学院大学文芸部賞 1冊…図書カード1万円分
   奨励金は学校または生徒会に贈呈します。

個人作品部門
  「高校文芸誌」に掲載された、 小説・児童文学・現代詩・短歌・俳句・エッセイ・評論・感想文などジャンルを問いません。
●最優秀作品賞 (下関市長賞、梅光学院長賞、佐藤泰正賞) 3篇…それぞれに図書カード2万円分
●優秀作品同窓会賞  10篇…それぞれに図書カード5千円分
●佳作  20篇…それぞれに図書カード2千円分
  図書カードは執筆者個人に贈呈します。 (応募規定による「高校文芸誌」掲載作以外の作品は選考対象になりませ
○選考発表
  2007年6月22日(金)
  選考結果は報道機関に発表されるとともに、本学のホームページ及び文学部日本文学科文芸・創作コース機関誌『梅光文芸』に掲載します。
主催:学校法人梅光学院 梅光学院大学
共催:梅光学院同窓会
後援:下関市、下関市教育委員会、山口県、山口県教育委員会、北九州市、北九州市教育委員会、福岡県、福岡教育委員会、朝日新聞社、NHK下関支局、KRY山口放送、中国新聞防長本社、TYSテレビ山口、西日本新聞社、日本経済新聞社下関支局、毎日新聞社、山口新聞社、読売新聞西部本社、YAB山口朝日放送 (五十音順)

| | コメント (0)

2007年1月11日 (木)

清涼院流水さん『パーフェクト・ワールド』刊行記念サイン会

(講談社ミステリーメールマガジンより要約)

 新作小説を12ヵ月連続で書き下ろし刊行するという、担当編集者でさえ逃亡したくなるような過酷な……失敬、前人未到の大企画“大河ノベル”に西尾維新氏とともに挑まれる清涼院流水氏。
 それだけでも「こりゃギネスもんだなぁ。申請しちゃおうかなぁ」などと思っていたら、編集長が調子にのって「流水さ~ん、毎月刊行ってことで毎月サイン会なんてのもどうですか~?」。それに対して清涼院氏、「やりましょう」と0.5秒で即答。「それもギネスに申請したいですねえ。というか、ギネスに『コウダンシャBOX? マタアイツラカヨ! マジウゼー!』と言われるくらい、まだ誰もやっていないことに挑戦し続けていきたいものですねぇ」とまで。
そんなわけで、2007年大河ノベル『パーフェクト・ワールド』発売を記念して、清涼院氏が1年間毎月サイン会・名づけて“どーもツアー”を敢行し全国を縦断する。
 第1回目は1月20日(土)15:00~ ブックファースト渋谷店(東京都渋谷区宇田川町33-5、TEL:03-3770-1023)
 *講談社BOX“大河ノベル”刊行を記念してのサイン会『パーフェクト・ワールド1』を買い上げ者が対象。また、整理券が必要。参加希望者は1/10(水)からブックファースト渋谷店2Fレジカウンターにて『パーフェクト・ワールド1』を購入のこと。(先着200名様)
詳細は http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/

| | コメント (0)

2007年1月10日 (水)

(株)新風書店・自分史情報紙=「マイ・ヒストリー」から

(株)新風書房の福山琢磨社長は、自分史発行の講師もしており、日経に連載コラムを執筆したり、今年は大阪学院大学の社会人講座「自分史」の講師もすることになっている。毎年一回発行する戦争体験の手記集「孫たちへの証言」は、19集にも及ぶ。この手記をもとにNHKテレビがETV特集「祖父の戦場を知る」を放送した。福山代表の発行する「自分史づくりの情報誌・My-History」70号には、そうした活動の報告とニュースがある。以前は、当会の「文芸研究月報」もニュース元になっていたが、いまは提供される側になった。
 
そのなかで、碧天舎について「出版ニュース」から得た記事をまとめている。それによると、倒産した自費出版会社「碧天舎」は、同業他社と同じように協力・共同出版の形態をとり、全国にある特約店300書店に2ヶ月間陳列し、売れ残りは同社の販売代行会社が全品を定価で購入する方式。出荷した本の8割は買い戻しになったという。これを書いた長岡義幸記者は「競業他社にくらべ、少なくとも流通との関係では、良心的な売り方をしていたといってもいい……」とする。

自費出版会社に関しては、批判もあるが、もともと、そんなに売れるわけがないから自費出版するので、それが売れたら普通の出版社の選別眼は節穴同然で、面目丸つぶれである。そういうところに市場をつくるのは、むずかしいのはたしか。
しかし、もしやという夢がないわけでもない。執筆してから本にするまでは、もしかして、売れるかも知れない、という夢がぐんぐん膨らむのであろう。夢を見る費用も含まれていると理解していれば、文化的貢献と印刷産業に貢献もすることだし、あまり否定的になれないものがある。

| | コメント (0)

“うにまる”林木林さんが「詩と思想」の新人賞受賞

 第15回「詩と思想 新人賞」の授賞式が、8日NHK青山荘(東京・青山)で開催された。伊藤桂一氏や選者の新川和江氏など約120名が集った。林木林さんの受賞作「夕焼け」は、夕焼けを、人間の体内を流れる血潮のイメージにダブらせ、
「血の巡りのように世界じゅうを流れている/夕焼けがあるから/世界が生きているのだとわかる」
というように、身近な自然現象に感じる情念を、生命力豊かに表現したもの。

【林木林・略歴】
“うにまる”の筆名で、独自の感覚重視の作品を発表。清水哲男氏などから評価を受ける。山口県生まれ。中学一年生の時にクラスメイトから詩の回覧ノートを数人で回さないかと誘われたことがきっかけで詩を書くようになり、以後病み付きに。回覧ノートが自然消滅したのちも一人でこっそり書き続けている。のちに雑誌に投稿、コンクールなどに応募。95年、詩とメルヘン特別賞。06年、第3回抒情文芸最優秀賞などを受賞。04年、第4回詩のボクシング全国大会優勝、05年。防府市市民栄光賞受賞。05年春からFMわっしょいの番組内の短詩型コーナー「ことばのあそビバ」に出演中。06年秋、詩の絵本「ゆうひのおうち」が、すずき出版「こどものくに」から刊行される。

林木林さんは、詩人のプロとして活動していきたいということから、自費出版での詩集刊行を拒んできた。今回の「詩と思想」の新人賞では、受賞者の詩集を無料で刊行することが副賞となっており、初めての詩集が自費でなく刊行されることになる。

| | コメント (0)

2007年1月 9日 (火)

「構想」41号(長野県)=崎村裕「煩悩障眼」など

【「「煩悩障眼」崎村裕」】
 お寺の子に生まれた主人公が、小さい頃から他家に預けられ、地域で経を上げる手伝いをする。そこで知り合った娘と学生時代に恋仲になる。主人公は、別の女性に気持ちを移し、娘に冷たくする。すると、彼女が自殺をはかったことがわかる。
 冒頭で、浄土真宗に関する説明があるが、説明の必要性が不明。連載ものだろうと思う。ただ、宗教は説明してもはじまらず、主人公が信じているのか、いないのかを作中に示せばよいのではないだろうか。比較が適当かどうかはわからないが、新海氏の「曇り日の影」では、主人公はあきらかに信の境界を飛び越えており、信者であろうと推察できる。
 
 【「炎の卵球物体」佐々木敬裕】
毒キノコと食べられるキノコとの紛らわしさからくる、キノコ獲得法の話。小説かと思ったら、エッセイだったが、へえ、と思うが、面白い。


【「吾帰農せり」岡本みちお】
 サラリーマンをしていたが、定年退職し、亡き父の希んでいた農業をする。故郷で座禅と農家生活を語る。ブルベリーを栽培し、孫に喜ばれる。熊や狐、狸やイタチなどの害で殺生もする。蝶の話もあって面白い。この作者の登場は久しぶりのような気がする。記憶に残る作風である。

 【「魯迅の国民性批判と中国の現代(二)」古川双一】
 魯迅の生活、精神的の遍歴を語って、当時の中国人の民族性を明らかにしている。洞察よく、論旨一貫しており、説得力あり。勉強になった。
 
【「佳・第Ⅷ部」嶋田貴美子】
 長編なので、あらすじと、主人公の「佳」の本家と、嫁ぎ先の家系図があるのは、わかりやすい。主人公の「佳」が産んだ子が口元に障害があり、その母親としての苦悩と葛藤が本編のすべて。この部分の書き込みを自分は、あまり、好まない気持ちで読みはじめたが、いざ読んでみると、母親の心理と周辺との葛藤が見事に表現され、一気に読んでしまった。筆力に図抜けた才能を感じる。

| | コメント (0)

同人雑誌評対象作品リスト(よこいさん提供)

ひわきさんの「文芸同人誌案内」のサイトに同人誌「木曜日」のよこいさんが、同人雑誌評の掲載リストを載せているので、ここで再掲載させていただきます。
 よこいさんのブログ「重力と恩寵」では、大変な読書量と筆力が示されていて、なかなか面白い。とにかく書くことが、量から質に変わることは、先例にあることで、彼の今後の飛躍が期待されます。

「図書新聞」2007年1月13日第2805号「同人誌時評」志村有弘筆
「耕三と勉」鈴木楊一、追悼の辞・間宮武、鈴木楊一追悼(以上「文學草紙」120号/西東京市)、「ツクヨミ」渡辺たづ子(「文芸誌O」39号/佐久市)、「日銭貸し」森本ゆう(「私人」57号/北本市)、「いつかの道」原田勝史(「蠍」46号/諏訪市)、「おれはあんたのこと、忘れんばい」寺内邦夫(「青銅時代」47号/南河内郡)、「もうひとつの『ろまんの残党』」加納一朗、「二人の女流作家」桜井信夫、「私小説雑感」唐戸民雄(「Pegada」5号/川崎市)、「旅と文筆」勝又浩(「遠近」30号/練馬区)、「中野重治と加納一馬」刑部あき子(「青磁」23号/福井市)、「東司まで」九鬼高治、「九鬼高治と私」同人各位、「九鬼高治文学年譜」青木正美(以上「煉瓦」33終刊号/習志野市)、「伊勢町異聞」内藤健治、「月下の城」千早耿一郎、「コーヒータイム」小宮隆弘(以上「騒」67号/横浜市)、「電車」筧槇二、「砂畑」右近稜、「記憶の底―さくら―」伊藤ふみ(以上「ノア」11号/山武郡)、扉詩・武田隆子(「りんごの木」14号/目黒区)、「佃」創刊号/さいたま市、「てくる」創刊号/大阪市、赤木二朗追悼(「AMAZON」420号/宝塚市)、伊吹知佐子追悼(「飢餓祭」29号/大和高田市)、松原伊佐子・吉村欣也追悼(「詩と眞實」690号/熊本市)、太田京子・狩野幹夫追悼(「文芸静岡」76号/静岡市)、新井良忠追悼(「別冊關學文藝」33号/西宮市)

「文學界」2007年二月号「同人雑誌評」松本徹筆
「風野奥、橡の平の朝」中田重顕(「文宴」106号/松阪市)、「長い沈黙の旅のあとに」森本房子(「野田文学」7号/野田市)、「安東(丹東)競馬場」藤山伸子、「トパーズ色の風」朝比奈敦(以上「飃」73号/宇部市)、「濡れた素足」土井荘平、「東司まで」九鬼高治ほか九鬼高治記念号、「欅の町」寺元敏胤、「春宵」滑川ヤゴ(以上「煉瓦」33号/習志野市)、「夢去りぬ」園村昌弘(「詩と眞實」689号/熊本市)、「楽園」海野なつこ(「てくる」創刊号/大阪市)、「老いたるアダム」相馬庸郎、「光」氏家ユウタ(以上「AMAZON」420号/宝塚市)、「OKミドル」若林亨、「ふたり」西村郁子(以上「せる」73号/東大阪市)、「夜のあかり」堀井清、「異色作家」井上武彦、「F氏の述懐」宇野昌幸(以上「文芸中部」73号/東海市)、「消えたホクロ」峰田王子、「雪女のピアス」須崎隆志、「それでもいいよ」高井かほる(以上「札幌文学」68号/札幌市)、「ぼろおん」各務麗至(「戞戞」15号/観音寺市)、「水を掻く水母」桑村勝士(「胡壷」5号/福岡市)、「冬の夕焼」小橋菊江、「ゆき筐」瀧本由紀子、(以上「サルベージュ」11号/鳥取市)、「梨の消息」遠藤昭己、「私の殺したもの」久保修(以上「海」74号/四日市市)、「鬢付け油の壺」昆道子(「碑」87号/横浜市)、「珈琲」浅田厚美(「別冊關學文藝」33号/西宮市)、「幻視者」河村義次郎(「函」58号/広島市)、「隣人」難波田節子(「季刊遠近」30号/東京都)、「表面張力」佐藤睦子(「小説家」123号/国分寺市)、「湯けむり談義」東喜啓(「クラルテ」創刊号/調布市)、「優しい声」鈴木康次良(「個性」32号/横浜市)、「自画像へ」磯貝治良(「架橋」26号/清洲市)、「メルボルン」(創刊号/京都市)、「聖女」浅見実(「雲」10月号/東京都)、「蓮華躑躅」山本直哉(「文芸誌O」39号/佐久市)、「潮風の吹く町にて」葉山弥世(「広島文藝派」21号/廿日市市)、「駅前で」村伊作(「文芸驢馬」52号/東京都)、「君がいた町」伊神権太(「熱砂」10号/名古屋市)、「与吉の災難」秋野さい(「長井文学」40号/長井市)、「ゆく春」田中美津子(「滋賀作家」100号/大津市)、「抜け道」定道明(「青磁」23号/福井市)、「二つの川」森亜人(「蠍」46号/諏訪市)
ベスト5は、「夢去りぬ」園村昌弘、「梨の消息」遠藤昭己、「老いたるアダム」相馬庸郎、「OKミドル」若林亨、「風野奥、橡の平の朝」中田重顕。別枠で、「鬢付け油の壺」昆道子。


よこいさんのブログ「重力と恩寵」

| | コメント (1)

2007年1月 8日 (月)

田辺聖子さんが「朝日賞」受賞

2006年度朝日賞が1月1日、作家の田辺聖子さん(「田辺聖子全集」(全24巻・別巻1)完結にいたる文学活動の業績)ら6人に決まった。副賞500万円。贈呈式は29日、東京・帝国ホテルにて。

| | コメント (0)

「構想」41号(長野県)=藤田愛子「披露山中毒」など

【「披露山中毒」藤田愛子】
神奈川県逗子海岸ちかくに披露山公園がある。80歳という老齢の亜希が、独りマンション住まいをし、イケメン韓流スターのDVDを観て、時を過ごしている。同じマンションに、青年が住んでいて、彼との交流が心の潤いとなる。親切で優しい彼の勤め先は、地元の役所で、高齢者介護を担当していた、職業意識によるものではないかと、思わせる話。生活の中の心の抑揚を描いて巧み。

【「曇り日の影」新海輝雄】
いわゆる2号さんの子として生まれた主人公の、戦時中から戦後までに経験した、体験談のような形式をとりながら、青春の精神史を描く。学生を兵役に奔らすための官憲の意図的な摘発が行われた世相。それから、香具師の世界に入り、親切にしてくれたノダキの佳代子という女性が異母姉であることを知る。戦時下の異常な社会を背景に描き、味わいの濃い作品。読みようによっては、カフカの作風に照応するような読み方ができる。クリスチャンであることを示す表現も一味違ったものになっており、精神的な深みをもって読める。

| | コメント (0)

2007年1月 7日 (日)

同人誌「文学街」の02年2月

文芸研究月報の2002年2月号の作品紹介から。森啓夫主宰の「文学街」は月刊発行なので、発行ペースが早い。「日通文学」が、休刊になったので、月刊同人誌は「文学街」だけなのかもしれない。また、崎村裕氏が松本道介氏と議論をしているが、松本教授のドイツ文学者としての経験を考慮に入れていない分、議論がかみ合っていない。さんざん西欧哲学と付き合ってきた人が、日本人として感じている精神的背景を考えると、表面的なことではすまないものを読むべきではないだろうか。

同人誌 「文学街」(東京都)47号/48号(2002年2月号より)
【「吉本隆明-もう一つの人生(1)」川端要壽(47号)/「同(2)48号】
 この作者は、吉本隆明氏とは旧くから友人で、同人誌作家といっても相撲の栃錦と親交があって「勤王横綱-陣幕久五郎」(河出書房)、「奇人横綱-男女ノ川」など多数の著書がある。小説だけが同人誌作家らしい。これらのことが読んでいくとわかる。とにかく今、最も乗っている同人誌作家で、どれを読んでも面白い。吉本が、福武書店の重役であった編集者の寺田博と組んで「海燕」に「マス・イメ-ジ論」を連載していた。ところが福武書店は、運営難であった柄谷行人が活躍する「批評空間」を引き受けることになった。吉本は柄谷がアメリカに行って以来、自分の批判者になっていると反発。連載を「マス・イメ-ジ論」の連載を止めてしまった経緯が書かれている。また、柔らかな筆づかいで、隆明と吉本バナナとの親子関係を浮き彫りにしており、興味が尽きない。

【「座して滅びを待つしかないのだろうか-再び松本道介氏への疑問」崎村裕(47号)/対話=「私の〈思想的立場〉-再度、崎村裕氏の疑問に答える」松本道介(48号)】
 これは、誌上で崎村氏が「文學界」同人雑誌評担当の文芸評論家・松本道介氏の論評に疑問を投げ、松本氏が当誌に反論を寄せた。そこで、対話がくりひろげられているものらしい。
はじまりを知らないのだが、太平洋戦争に対する国民の姿勢と戦争裁判に関する両者の主張は、それぞれ興味深い。しかし、噛み合わない気もする。「運命論」というのは、予感であったり、既に反省したりした結果の情動的主観である。客観的必然論ではない。善悪正誤を超越し、反省しようがないというのは分かる。なぜなら、それは日本列島及び日本民族をまとめて一つの人格になぞらえた、存在了解のスタイルであるからだ。これは個人が自己の存在を自覚し了解する態度と、すみやかに連結できる。

松本氏の、日本民族としての特性に自己の存在を重ねる方向は、論理的必然であろう。私はこれが、日本の国が人格的象徴として天皇を包含してき特性にも重なるとみる。片や、崎村氏の過去から未来を展望し、よりよい選択をすべきだという客観的分析からすると、善悪正誤はあるし、反省する余地は大いにある。しかし、同じ土俵ではないような気がする。
崎村氏は、そのように客観的に反省した結果、日本人として自己の存在をどのように把握していくのか。その問題に論及すれば、対話は成立するのではないだろうか。松本道介氏は、この対話を踏まえて雑誌「季刊文科」21号に「私の〈思想的立場〉」という論を発表するというので注目したい。著書「視点」と同様、安易な大勢追随主義に一太刀があるのかも知れない。

| | コメント (0)

第6回「雪のラブレター」公募

 ・俳句:芭蕉の気分になり、雪にちなんだ恋の句をお寄せ下さい。
 ・恋文:雪にまつわる恋のはなしや想い、エピソードなど50~100文字程度にしてお寄せ下さい。

●応募方法
 下記のインターネット応募フォームにて作品を受付ます。
 また封書やハガキに、住所.氏名(フリカナ).年齢.性別.電話番号を明記し郵便等での応募も受付けております。作品掲載の際にペンネームを希望する方は、上記の他にペンネームも記入下さい。
  ・1人3点まで。(1通につき1作品として下さい)
  ・未発表作品に限ります。
  ・応募作品の返却はいたしません。
  ・応募作品についての一切の権利を尾花沢市が有します。
●締め切り:平成19年1月31日(水)当日消印有効
●宛 先:〒999-4292 山形県尾花沢市若葉町1-1-3
      尾花沢市役所商工観光課内『雪のラブレター』係
●賞 :最優秀賞:各1作品/優秀賞:各3作品/佳作:各5作品
●発 表:平成19年3月下旬(予定)
●表 彰:入賞作品については賞状と副賞を贈呈。
      最優秀賞には副賞として銀山温泉ペア宿泊券を贈呈。
●審査員
  ◆恋文の部 岡崎由紀子氏(脚本家)
  ◆俳句の部 大類つとむ氏(山形県現代俳句協会副会長/俳誌「陸」「街」同人)

●問合先:尾花沢市商工観光課 TEL 0237-22-1111(内線253)/FAX 0237-22-3222
主 催:尾花沢市/共催:尾花沢市観光物産協会/協賛:尾花沢郵便局


| | コメント (0)

2007年1月 6日 (土)

同人誌・主宰者の呟き「文学街」(東京)130号より

「文学街」の特徴は、掲載作品に岩谷征捷氏の作品批評が毎回載る事と、他の同人誌の掲載されたものから、推薦作品を再掲載すること、読者の声が多数載っていること、雑誌「文芸思潮」の五十嵐勉氏と提携関係を持っていることなど、である。

この号では、個人誌「きゃらばん」を主宰し、「文学界」同人雑誌評にもよく取上げられる千葉県・庄司肇氏のエッセイがある。80歳を過ぎて振り返ると、50年を超える同人誌経験をもつことからはじまる。結核に侵され、生活第一、文学二の次の主義でやってきた。開業医をしながら、「文芸首都」や「房総文学」などいくつかの同人誌に参加、個人誌に切り替えたという。
 
そのなかで、同人誌の主宰経験を語る。「主宰者というのは、同人たちの尻拭い役、それは恋愛事件から印刷費の不足まで、印刷、発送の苦労で疲労困憊」したようだ。「同人と称する友情のカケラもなく、口ばかり達者な連中との付き合いは、もう御免であった」という。

それが20年前というが、現在もあまり変わっていない面があるようだ。私が、文芸同志会で集まりのない会をつくったのも、集まっても時間の無駄で、手紙のやりとりで十分だと思うことが多かったからだ。合評会をやっても、会が終った頃やってきて、酒を飲みにくる人もいる。そこで大言壮語、世間を馬鹿にし、自分だけが利口だとのたまう。筋の通らない理屈をいうこと、小泉首相なみである。そんなに周りがばか者ばかりなら、世間を相手に生きないで、山にでも篭ればいいのに、と思うこともある。現実は、世間に相手にされず、文学をする人は、優しいので付き合ってもらえるのだろうけど。今も、そういう同人誌を運営している心優しき人が、どこかに居るに違いない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月 5日 (金)

 「零文学」第4号(東京)=小野里敬裕の評論など


【評論「沖縄小説について」小野里敬裕】1972年に本土復帰をし、その後の万博など政治的経済政策により、沖縄の地域的風土と文学の関係を検証したもの。政府による沖縄の文化の顕彰には、常に政策的な意図が含まれることが、如実に表れるものがある。短くはあるが、労作である。更なる続編があるらしい。その中に、米国の沖縄への見方の変化、基地移転問題と日本政府との交渉過程なども時系列に並べてみたら、より一般性をもつのではないか、とも思う。

【「over the rainbow」君島有純】子連れ離婚経験者同士の恋愛から結婚への経緯を女性の視点で描く。黒部に旅行しながら、回想を交えて、黒部風景と、迷いとまどう主人公の心境を重ね合わせて物語る。地味だが、双方の親子関係を念頭にいれた恋愛なので、恋愛小説というより人生小説に読めるのがミソか。結構複雑な情念を、バランスよく表現している分、突っ込みが不足も感じるが、短いので調和を重視したのかも。風景の清涼感がよく出ている。

【「東京」大水由紀】東京の大学生活の雰囲気を描いたもの。視点の移動で、それぞれの学生背活を書き分けようとしたらしい。よくわからないままでも、とにかく全員が納得してしまうラストが可笑しい。

【「11:59→0:00」加藤小判】彼氏の誕生日祝いのメールを打って着信するまでの時間に、何人かの人の意識を通り抜ける? のかな。思いつきが面白い。表現する内容が小さいときは、こういう表現技術優先の作品を試すのもいいかも知れない。

| | コメント (0)

2007年1月 4日 (木)

芥川賞・直木賞候補(136回)

第136回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の候補作が3日、発表された。芥川賞は5回目となる佐川光晴さんを除く4人が初候補。直木賞は6人のうち、池井戸潤さん、佐藤多佳子さん、白石一文さんの3人が初。選考会は16日午後5時から東京都内で開かれる。候補作は次の通り(敬称略)。

 〔芥川賞〕
青山七恵「ひとり日和」(「文芸」秋号)▽佐川光晴「家族の肖像」(「文学界」12月号)▽柴崎友香「その街の今は」(「新潮」7月号)▽田中慎弥「図書準備室」(「新潮」7月号)▽星野智幸「植物診断室」(「文学界」9月号)

 〔直木賞〕
池井戸潤「空飛ぶタイヤ」(実業之日本社)▽荻原浩「四度目の氷河期」(新潮社)▽北村薫「ひとがた流し」(朝日新聞社)▽佐藤多佳子「一瞬の風になれ」(講談社)▽白石一文「どれくらいの愛情」(文芸春秋)▽三崎亜記「失われた町」(集英社)。 

| | コメント (0)

作家・吉村昭は自然死であった。「季刊文科」36号から

 作家・吉村昭が亡くなったので、急遽、追悼号としたためか、非常に厚みのあるものになっている。
対談が吉村夫人の津村節子氏と大河内昭爾氏の対談。吉村昭が亡くなると、新聞メディアが尊厳死をしたと大きく報道し、津村氏はもとより、大河内氏にまで取材にきたという。大河内氏は身体を壊して入院していて、お二人ともひどく体重が減ったとある。
 ここで、吉村昭氏の死が、尊厳死だとか自殺だとか報道されて、迷惑したことが語れている。
吉村昭氏が、自分で点滴をはずしたことは事実らしい。しかし、それを尊厳死だとか自殺だとか称するのはたしかに変だ。
点滴は生命維持装置ではない。外したからすぐ死ぬようなことはない。同誌の追悼文で、医師・作家の加賀乙彦氏が、「吉村昭さんの見事な自然死」というタイトルにしたのもメディア報道を意識したものであろう。
とにかく、本誌36号は保存版としても貴重な号である。

本誌には作家・伊藤桂一氏が、「小説の書き出し『蛍の河』について」を寄稿している。40枚という短さで直木賞を受賞した作品についてである。
 この作品を作者自身が非常にうまくいった作品としている。ここに伊藤桂一氏の小説観があらわれている。つまり、作品にはつねにあるべき姿をしてなければならない、という小説観である。あれも良いがこれも良いといった、骨がどこにあるかわからないような小説観ではない。あるべき姿をしているか、という問いかけの視点は、他人の作者も自作品も同じレベルで問いかける。この姿勢は、教える方にも通じる。私が、伊藤教室で作品を提出したとき、伊藤先生は「きみ、これは二つのエピソードからなるが、どうも溶接の仕方が悪いね。僕なら、もっとうまく書けるよ」と言われた。先生にそういわれても、面食らうばかり。しかし、それじゃ、直す余地があり、うまく行けば先生並みの作品になるのかもと、いろいろ試したが、うまく行かず、放置してしまった。もし、自分に才能と努力する力があれば、きっといい作品になったのかも知れない。それも、伊藤桂一氏の師として、独自の小説観をもつことの表れのように思う。このように、つたない者であっても、小説の本質に引き寄せてくれる。

| | コメント (0)

2007年1月 3日 (水)

文学賞における新人、中途採用、ヘッドハンティング

文学賞を設ける出版社にとって、作家は会社のための人材確保の場である。新人賞は新卒で、現在の実力より将来へむけ訓練、調教に従順そうな有望人材を見つけたい。即戦力採用では、できあがった実力者なら最適。もっと即戦力なら、他の業界で有名になった人に本を書かせ、売り上げ拡大戦略、ヘッドハンティングである。
 根底にある、本来の文学性というのは、これとはまったく関係がなく存在する。村上春樹がどれだけ売れようと、ノーベル文学賞候補になろうと、文学的本質とは別の次元の話である。

「増えてます小説家志望」というタイトルで「しんぶん赤旗」(日曜版06年12月17日付)にヤング向け記事がある。
 最近の若者文学賞受賞者には、04年・芥川賞「蹴りたい背中」綿谷りさ(19歳)、「蛇にピアス」金原ひとみ(20歳)、05年・小学館文庫小説賞「あなたへ」川崎愛美(15歳)、05年・文芸賞「平成マシンガンズ」三並夏(15歳)、05年・このミステリーがすごい特別奨励賞「殺人ピエロの孤島同窓会」水田美意子(12歳)、06年・野生時代青春文学賞「りはめより100倍恐ろし」木堂椎(17歳)などがあるとする。

 都内の音楽大学に通う大浦絵里さん(22)が、はじめて賞に応募したのが、中学生の時、「土、日は本屋でアルバイト。平日は授業、帰宅してから夜9時まで歌のレッスン、それ以後が小説を書くと決めている。音楽と作家志望、「どっちにしても書くことは続けていく」という。
昨年の11月、「文学フリマ」戦争をテーマにした「独り同人誌」を作り、販売した沖縄の高里ゆうさん(26)会社員。自分で作った同人誌を売るために毎年上京している。「出費は痛いですが、自分の作品を発表する貴重な機会。同じように書いている人たちと交流できるのが楽しみ」という。


リンク・ニュース=本当のアナーキーを実行する人

| | コメント (0)

2007年1月 2日 (火)

トクマ・ノベルス公募

トクマ・ノベル受賞者と公募規定

「今日の視点」

蓮如聖人の御文章に「・・・されば、朝に紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり・・・あわれというもなかなかおろかなっり・・・」の言葉があるが、人は常に何かに追われ締め付けらている。
「多摩川リバーサイド・ハウスの風景」

| | コメント (0)

2007年1月 1日 (月)

今年の西尾維新

1月1日・講談社メールマガジンより転載
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
著者メッセージ : 新年の挨拶にかえて <西尾維新さんから>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  あけましておめでとうございます。昨年はまことにお世話になりました。
戯 言シリーズを完結させて最初の年ということで、果たしてどう振舞ってよいの やら、足下の覚束無い感じではありましたが、みなさまのお陰で無事に乗り切 れたように思います。
  などと、このまま堅苦しい挨拶を続けても仕方ありませんので、本年の執筆 予定などを軽く説明させていただきます。
  まず講談社BOXから1年に亘り、12ヵ月連続で出版される予定の大河ノベル20 07『刀語(カタナガタリ)』。昨年中に用意されたストックはわずか4話分、 残りの8話はリアルタイムで書くことになります。無事に12巻まで書き終える ことができればご喝采。
  また、文芸図書第三出版部から4月にリニューアル発売される小説現代増刊 『メフィスト』に、人間シリーズ、『零崎曲識の人間人間』が掲載されます。
 おそらくは今年最初に書く原稿が、この『人間人間』です。2007年の西尾維新 をはかるのに丁度いい小説になるのではないでしょうか。
  更に、何年も前からタイトルだけは公開していた『不気味で素朴な囲われた 世界』の執筆に、ついに取り掛かります。『きみとぼくの壊れた世界』の続編でこそありませんが、世界観を同じくする物語ですので、興味のあるかたは是 非。『刀語』『人間人間』『ぶきそぼ』は並行して書く形になると思いますが、 それら3つの物語を書き終えたあとは(8月くらい?)、頑張ったご褒美とし て、昨年末に発売された『化物語』の過去編にあたる『こよみヴァンプ』を執 筆させていただくことになっております。発売は2008年初頭頃になると思いま すが、タイトルを『無物語(ナイモノガタリ)』か『傷物語(キズモノガタリ)』、 どちらかに改めて、講談社BOXから刊行予定です。ちょっと先の話になりますが、 忍野忍……もとい、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレー ドの活躍も、どうかお楽しみに。
  ともあれ、本年も西尾維新を、よろしくお願いします。     【西尾維新】

講談社から、コミケでブレイクした奈須きのこ「空の領域」がアニメ映画化されるとか、の情報もあり。

| | コメント (0)

あけまして・・・・・平和でありますように

昨年は、といってもさっきまであるが、挫折と前進のあった年であった。月報の発行を休止したのは、やむを得ない挫折である。しかし、文芸同志会の活動としては、見えないところで前進している。まだ、外部に見えるようなところまで行っていないだけ。月報の復刊も、協力者をさがしている。居ないとシステムができない。システムができないとやれない。当たり前の話だが、同人誌情報は、なんとか考えた。会員投稿制度も出来た。あとは、文芸時事ニュースである。これが、他の人の話だと、どれがニュース価値があるのかわらないという。とにかく、今年は月報の隔月版でもいいから、目指そう。

とりあえず、富士山の姿

| | コメント (0)

« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »