「零文学」第4号を読む(1)
文学インディーズ・マガジン「零文学」とあるが、たしかに同人誌といより、現在の時代性をよく表現している内容のようだ。特集「詩の現在」が柱になっている。文芸同志会も詩人との接触が増えている。現在の流れを把握した企画に受け取れた。
【「世代を超えて生きる立原道造の世界」君島有純】
まず、東京大学のすぐ脇にある立原道造記念館の探訪記を入れているところに、現代性への関与が主張されている。その分、概論的で詩世界への導入力は薄いが、これは、一般性をどう維持するかとの綱引きで、やむ得ないところか。レポーター的姿勢が、同人誌とはやや異なるリトルマガジンらしい角度から視点である。詩が行を変えた散文ではないこと示す作者の感想も味付けになっている。
【「現代詩の最前線・詩人は社会とどう関われるか」那住史郎+木原健】
新鋭詩人・53(GO SAN=ゴーサン)の存在や、詩のボクシングの状況などが語られる。詩の文化力というか、市民のなかでの浸透力と活動の力強さが伝わってくる。詩だけではなく、同人誌の小説にもあてはまるテーマ。
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