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2006年8月21日 (月)

「BUN」2号 作品紹介

同人誌  「文―BUN」 2号(京都・立命館大学)発行日=060701

【「夏、故郷の海で」

河合利右衛門】青春時代。僕のメランコリーが語られている。明るい海と彼女が居て、贅沢なメランコリーである。梶井基次郎の「檸檬」とは全くかけ離れたところで、普通は退屈と憂鬱などあり得ない設定で、それが語れるのはすごい。だからそうしたのだろうけど、実にうまく纏まっている。

【「鴨川を越えろ!」菅原隆】

性的欲求に対する葛藤はーーー。で始まるのだが、主題は疎外感なのであろう。千差万別の嗜好性と切実性を訴求するのに、性的体験になぞらえたのは、必然であるかもしれない。しかも、切実さの故に語りの中に滑稽さがにじむのである。とすると、終わりの“その姿は滑稽という以外なにものでもなかった”は、重複した感じもするが、落としどころとして普通にも思える。これも掌編として巧い。みなさん、この長さが得意なのか、才気があるのか、とにかく安心して読める作品ばかりだ。

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